8か月目:
現実との折り合いの付け方
自分らしい進路選びを進めていくための「選べる! 決められる! 人になるための1年強化プログラム」8か月目です。このプログラムは、単発で受けていただいてももちろんOKですが、続けて受けていただくとさらに効果的です。
今月のテーマは「現実との折り合いの付け方」です。
皆さんは進路について、「興味はあるけれど、難しそうだし、お金にならなそう...」などと、現実を考えて悩んでしまうこともあると思います。今回は、こういったときにどう進路を選んでいけば良いのか一緒に考えてみましょう。
本当はどうしたい? いったん現実と分けて考えてみる。
まず、現実のことを考えてしまってモヤモヤ悩んでしまうときは、自分の気持ち(純粋な興味ではこの方向に進みたいなど)と、それと違った方向性を示す現実(お金のことを考えるとこの道が良い、この道は安定していそうなど)が混ざってしまっていることにより頭が混乱している場合が多いです。
こういったときは自分の「気持ち」と「現実」を分けて、紙に書いたり、スマホやPCの画面などに打ち込んだりして見える形にしてみると落ち着いて考えることができます。
このとき、「現実」の方は割とすんなり出てくると思いますが、「気持ち」の方はできればゆっくり時間をとって自分自身に「何の制限もなかったら、本当はどうしたい...?」と確かめてみることをおすすめします。
悩んでいるということは、「気持ち」の方は大変そうに見える方向性に行きたくて、どこかで「認めたら困る...」と感じているということかもしれず、素直にすぐには出てこないかもしれないからです。
選択肢は本当にそれだけ?
もう一つ、進路について悩んでいるときに頭に入れておいていただきたいのは、「第3の選択肢」の存在です。悩んでいるときというのは、0か100か、気持ちか現実かと、選択肢が極端な2択になってしまっている場合が多くあります。そういうときは、第3の選択肢を意識することで、解決する場合があります。
例えば、以前、興味のある演劇の道を進むか、大学に進学するかということで悩まれていた方がいました。その方は、結局、いったん大学に進学して、その傍らで演劇を続けてみるという「今すぐ決めない」という第3の選択肢を選ばれました。(ちなみに、その後演劇の道を選ばれたようです)
このように、「今すぐ決めず、〇〇の時点で決めよう」という「今は決めない」選択肢や、主には「現実寄り」のことをして、課外活動として「気持ち」を重視した活動をする(その逆もある)という中間の選択肢など、一度冷静になって第3の選択肢を考えてみることで、納得のいく選択ができることもあります。
どちらを選んでも大丈夫
続いて、「気持ち」と「現実」を分けてみた後、どのように選択をしていくかということについてお話します。
これまで多くの方のキャリアの支援をしていて感じることは、はじめに「現実」を重視して考えると、視野が狭くなり、自分で自分の可能性を狭めがちということです。
そのためはじめは「気持ち」のなかから、「大枠はこの方向性でいきたい」とか「これだけは譲れない」というものを確認してから、次に現実について考えていくことをおすすめします。
また、新型コロナウィルスをはじめ予想もしないことが起こる昨今。今まで安定と言われていた大企業が大打撃を被ったり、逆にYou Tuberなど全くお金にならなそうだと思われていたことで稼げるようになったりと「現実」は短期間で大きく変わります。今の「現実」を頼りにし過ぎるのは、危険な気配がしますね。
人生100年時代と言われており、働く時代が長いと言われている今の高校生世代。
皆さんも人間ですので「気持ち」を無視して働き続けることは難しいと思います。
一方でまだまだ、「安定」や「お金」の影響力も残っている時代ですので、「気持ち」を大切にしつつ「現実」との折り合いをつけていくことも大切です。
今回の進路選択で、「気持ち」と「現実」、皆さんがどちらを重視した選択をしたとしても、うまく行けばそれはそれで良いですし、もし違ったと思ってもまた軌道修正をすれば大丈夫です。今の自分と向き合って考えてみてくださいね。
- 今月のエクササイズ!
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- 「気持ち」と「現実」に分けて、今、感じていること、考えていることを紙やPC、スマホなどに書いて可視化してみてください。
- 「気持ち」のなかで、「大枠はこの方向性でいきたい」とか「これだけは譲れない」というものを確認します。
- 「現実」の要素をどれくらい入れたいか、考えます。このとき、第3の選択肢も意識してみてください。
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