category:進路選択親子で読みたい
進学NEWS
2023.03.01

これから学んで、社会に出ていく高校生の皆さんへ

こんにちは、キャリアコンサルタントの中村です。

これまで1年間、進路についてのお話をしてきましたが、皆さんこの1年間はいかがでしたでしょうか。

うまくいったこと、そうではないこと、想像した通りだったこと、予想外のこと、きっと色々なことを経験されたと思います。

そして、高校を卒業してこれまでの仲間たちと離れることへの寂しさや新しい仲間に出会えることへ期待、行動範囲が広がったりできることが増えることへのワクワク、未知の世界への不安など、さまざまな気持ちが入り混じっているのではないでしょうか。

今回はこれからさらに学んで、社会に出ていく高校生の皆さんに、多くの大学生や社会人の方と触れる中で感じることをお伝えしたいと思います。

■働くことって大変で苦しまないとダメ?

これまでのコラム(特に「将来の夢がないとダメですか?」のコラムなど)では、皆さんの興味関心、価値観、強みなどを知って、なるべく「やりたい」「楽しそう」と思えるような将来について考えて進路を選ぶ方法についてお伝えしてきました。

 

そういったなかで、働くことについて「やりたい」「楽しそう」と思えてきた方もいれば、一方で「現実はやっぱり働くことって大変で、苦しまないと結果が出ないものなんじゃないの?」と感じている方も正直いらっしゃるのではないでしょうか。

確かにこれまでの「働く」に対する考え方は、「お給料は我慢料」という言葉があったり、メディアで「過重労働」が話題になったりと、「働くことは大変で苦しいこと」といったものが多数派であったと思いますし、今もまだまだそうだと思います。

事情があって現状を変えることが難しい方もいらっしゃるとは思いますが、「先が見えない時代、今を楽しむことが大事」、「人生100年時代、長く働くならやりたいことをしたい」という考えも徐々に浸透しており、「大変で苦しいだけはない、やりたいことをやって楽しみながら働くスタイル」を体現されている方が増えてきていることを実感しています。

■いろいろな働き方を知ろう!仕事=職業名とは限らない。

そうはいっても、周囲に「やりたいことをして楽しく働いている大人」のサンプルがないとなかなかイメージができないしピンとこないという高校生、大学生の方も大勢いらっしゃるのは事実です。

 

そのため皆さんには、これからいろいろな働き方をしている大人に会いにいくことをおすすめします。

世の中は思っている以上に本当に広くって、いろいろな働き方が存在します。

「いろいろな会社に行って会議の進行役をする」が仕事になっている人、
「新しいビジネスをつくるアイディアを出す」が仕事になっている人、
「全国を旅して、走った軌跡で絵を描く」が仕事になっている人、
「髪を切ったり、イラストを描いたり、DIYをしたりとにかくいろいろなものをデザインする」が仕事になっている人

などなど、やっている仕事を世の中にある職業名一言で言い表せない多種多様な働き方、仕事をしている人がたくさんいらっしゃいます。

高校卒業後はアルバイトなどをして使えるお金が増えて行動範囲が広がっていくので、ぜひ色々な人と出会って「働く」のサンプル増やし、皆さん自身が少しでも「やりたい」「楽しそう」と思えるものに出会っていっていただけたらと思います。

■進路選択での「自分で考えて決めた」経験はこれからも活きてくる

そうして色々な「働く」のサンプルを知ったあと、今後の自分の「働く」を考えていくときには、今回経験した「自分で考えて決める」経験が活きてきます。

 

初めのコラム「進路選択まず何からやったらいいですか? 大切なことを教えてください。」でお伝えした進路選択のステップ「自分を知る→情報を集める→選択する→目標に向けて行動する」は、今後社会に出るとき、その先にキャリアチェンジをしようと思ったときにも一生使える基本の考え方です。

結果には色々と思うところがある方もいらっしゃるかもしれませんし、進路がこの先どのようになるのかまだ分かりませんが、何はともあれ今回の進路選択を通じて皆さんは一度このステップを経験したわけです。

「自分で考えて決める」ということは筋トレのようなもので、たくさん慣れていくことが大切です。できれば日常から何かを決める際には「自分で考えて決める」を意識して、今回の経験、感覚を思い出しながら、皆さんらしく軽やかに自分の道を創っていってくださいね。応援しています!

[中村 文香]
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プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)

U-Discovery代表。国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。

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