category:進路選択親子で読みたい
進学NEWS
2022.09.01

親に進路を反対されています。親の期待に応えないとダメですか?

こんにちは。キャリアコンサルタントの中村です。


進路についてのお話を伺っていると
「親に進路を反対されている」
「親は〇〇の道に進むことを期待しているけど、実は私は別の道に興味があって...」
といった、保護者の方と進路についての意見が分かれてしまっているというお悩みをよく耳にします。

こういった状況では、今まで育ててくれた保護者の方の期待に応えたい気持ちと、自分の興味に向かいたい気持ちとの間で揺れてしまいますよね。

今回はそのようなときにどうしたらいいのか、一緒に考えてみましょう。

保護者の方が本当に期待していること

まず、こういったケースで意識を向けたいのが保護者の方がその意見を言っている「背景」です。

私は保護者の方からもご相談をいただくことがありますが、多くの場合、よくよくお話を伺っていくと意見の内容は違っていても、「幸せになって欲しい」「なるべくなら辛い思いをさせたくない」という気持ちがその背景にあり、「幸せになる」という本当の目的や想いは皆さんと同じものです。

ただ、いくら親子で似ている部分があるとはいえ価値観や性格は違いますし、育った時代の仕事に関する考え方や社会情勢はかなり異なっています。その背景が違えば、進路選択において大事にするポイントは違っていてもおかしくありません。

そのため、保護者の方の皆さんを想ってくれている気持ちや、社会人としての経験で参考になるところはありがたく受け止めつつも、一人の人間として少し冷静に情報を吟味し、自分で考え感じて決めていくということが大事になってきます。

ここ数年の仕事に対する考え方の変化について

ここで、先程出てきた仕事に対する考え方についての変化についてお話しします。

私は社会に出てから10年経つのですが、ここ数年、コロナ禍で仕事について考え直す企業や人が増えた影響もあり、激しい変化を実感しています。

まず10年ほど前は、終身雇用という概念が崩れて「転職」が悪いものではないと捉えられる気配が出始めたといった感じだったのですが、数年前くらいには一般的な選択肢となり、大学生が就職活動をする際に転職ありきでキャリアについて考えているというケースが多くありました。

そして最近では、会社によっては1社だけの経験より転職経験があった方が「変化に強い人」として評価されるケースも少なくありません。


さらに、今年の7月、厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を改訂し、副業・兼業をさらに促進するような内容になったことが話題になったように、ここ数年で今までは一部の方だけが関心のあった「副業」や「起業」が身近な選択肢になってきています。

このように、求められる経験やスキルが変化し働き方の選択肢が多様になってきた世の中では、「大企業に入れたら安定」「とある技術や資格を持っていたら安心」「一つのことに長く打ち込むことが大切」といった今までよく言われてきた常識が必ずしも通用せず、誰も正解が分からない状況が加速しているのです。

自分にとって納得する選択をすること

ここで、変化が激しく誰も正解が分からない時代と聞いて、少し不安に思ってしまった方もいらっしゃるかもしれませんね。

確かに心配な側面もありますが、仕事や働き方の選択肢が増えている分、自分で考えて進めることができればさまざまな可能性がある時代とも言えます。

そうした時代において、進路選択で大切なことは「保護者の方など人の期待やたくさんの情報があるなかで、自分で動いて調べて考えて感じて自分の納得する選択肢を選ぶ」というプロセスだと私は思うのです。

みなさんが生きているこの時代は選択肢がたくさんあり可能性が広がっている一方で、何気なく進んでしまうとたくさんの選択肢に流されてしまう時代でもあります。

ただ、何事にも慣れが必要なように、この「自分で選ぶ」という行為にも慣れが大事です。そのため、進路選択という大きな決断は「自分で選ぶ」という筋力のようなものをつけていく機会だともいえるのです。

情報を整理して自分で選ぶための詳しい方法については、よかったらこちらのコラムを参考にしてみてください。

>進路が決められなさそうで悩んでしまいます。どうやって決めていったらいいですか?

>進路について情報を集めたり見学に行ってみたり色々したけれど、どうしていいかわからなくなってしまいました...。

保護者の方も反対されているなかで自分の道を決めていくというのは、簡単なことではないと思いますが、この経験はきっとその後に活きてきますし、その真剣な姿勢を見て、保護者の方ももしかしたら応援してくれるようになるかもしれません。

できるところからで大丈夫なので、納得できる選択をするため、歩みを進めてみていただければと思います。

[中村 文香]
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プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)

国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。
高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。

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