category:進路選択親子で読みたい
進学NEWS
2022.07.01
高校生のための進路相談室

進路が決められなさそうで悩んでしまいます。どうやって決めていったらいいですか?

こんにちは。キャリアコンサルタントの中村です。

進路選択について色々と考えていると、「このままいって、進路を決められない気がする...」と悩んでしまうことがありますよね。

今回はそのように進路を決められないときによく起こっていることとその対処法についてお伝えしてみようと思います。

決められないのは知らないからかも!?

決められないときというのは、もちろん人によって様々な場合が考えられますが、シンプルでよくあるパターンとしては、決めるために必要な情報自体を知らないということがあります。

その進路に進むと「どんなことを学んで将来どのような仕事ができそうなのか」という未来のイメージや、「実際どのような準備をしたらその進路にいけるのか」という現実的な動きのイメージがなんとなくでもわかっていないと決めるにも決められないのです。

例えるなら、外食しようとしたとして、おそらく皆さんがあまり食べたことがない「アルゼンチン料理とハンガリー料理とナイジェリア料理のお店、どこにいく?」と聞かれても、料理がどんな味なのかも想像がしにくいし、そのお店までの距離や料理の値段などがわからないとなんとも決められないのと同じようなことだと思います。

そのため、まずは興味がある進路について情報を集めてみましょう。
「自分が興味あることって何だろう?」と思われた方はこちらのコラムをご覧ください。

>将来の夢がないとダメですか?

情報を集めるには?

ではどうやって情報を集めるかということですが、とっかかりとしてやりやすいのはインターネット検索や本で調べてみるということです。

学びたい分野について調べる場合はこちらのような進学情報サイトを見てもいいですし、「学びたい学問や技術 学校」などと検索して学校を探し、学びの内容や先輩の声などをみてもいいと思います。

仕事について調べるときは、「なりたい仕事の名前 なるには」とか「なりたい仕事の名前 インタビュー」などで検索すると、その仕事に就くための方法についてのサイトや本、実際に働いている人の声が出てくるのでこちらもイメージするのを手伝ってくれると思います。

ただ、ネットで得られる情報は断片的なことも多いので、より臨場感を持って情報を集めるためには、実際に現場にいって施設を見たり人に話を聞いたりすることをおすすめします。

特に夏休みには、学校でオープンキャンパスをやっていたり、あまり多くはありませんが企業でも高校生向けのインターンをやっていたりするところもあるので、ネットで検索して興味を持ったところに行ってみるといいですね。

あとは、自治体やNPOなどの団体が高校生向けに進路を考えたり、いろいろな仕事をしている大人の話を聞くことができたりするイベントをやっているので、「高校生 キャリア イベント」「高校生 進路 イベント」などと検索して興味のあるところに行ってみるのもよいでしょう。

またアナログですが、親戚やお知り合いに興味のある分野を勉強していたり、仕事についている人がいたらその人に直接話を聞いてみるというのもよりリアルな話を聞くことができると思います。

情報を集めたあとは自分なり整理しよう!

そして情報を集めたあとというのは、そのままにしておくと頭の中に情報がいっぱいになって混乱するので、これまた決められなくなる恐れがあります。
そこで、自分なりに情報を整理してみましょう。

おすすめの方法は、学びたい分野や仕事について調べてみてわかったことについて、良さそうなポイント(好き、得意、便利など)と気になるポイント(嫌い、苦手、不便)などと分類してみることです。
頭で考えるだけでなく、ノートに書き出したり、スマホやPCに書いたりすると客観的に見ることができ整理が進みます。

例)
心理学について調べてみた。
◎良さそうなポイント(好き、得意、便利など)
・人の心について考えること
・人の話を聴くこと
・文献など本を読むこと
・家から近いところに興味のある学校がある

×気になるポイント(嫌い、苦手、不便)
・数学が苦手なので実験に統計学を使うのが心配
・興味のある学校の難易度が高い
・学んだことをそのまま仕事で活かそうとすると狭き門らしい

良さそうなポイントと気になるポイントを書き出したら眺めてみて、自分にとって良さそうなポイントが上回るようなら、どうやら良さそうな選択肢として候補に入れてみましょう。

そしてさらにその分野について細かくみてみたり(例の場合、基礎心理学と応用心理学どちらか、そのなかでもさらにどこに興味があるのか?)、周辺の分野(例の場合、社会学、教育学、経済学、哲学や思想、文学)を調べてみたりして、興味の方向性をよりはっきりさせるというのもいいでしょう。

また、気になるポイントが上回ってしまう場合は、それを克服する方法がないか考えてそれでも難しい場合は、別の選択肢をまた調べてみるという形で進めていくといいと思います。

このように、納得して進路を決めていくためには調べて整理する、また調べて整理するというループを何度か回すことが大切です。

一つひとつ取り組んでいくことで、徐々に進路を決めていきましょう!

[中村 文香]
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プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)

U-Discovery代表。国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。

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