「好き」を仕事にするには?
皆さんは、働くことについてどのようなイメージをお持ちですか? 私がお話しする高校生を見ていると、恐らくあまりいいイメージをお持ちでない方が多いのではないかと思います。(働くことについての捉え方についてはよろしければ、前回の記事をご覧ください。
どうして働かないといけないんですか?
ですが、もし「好きを仕事に」できたら、楽しく働くことができそうですよね。
ただ世間では、「好きなことを仕事にしたら、楽しくなくなってしまった...」なんて話も聞いたりもします。好きを仕事にするのはやっぱり難しいのでしょうか。
今回はそんな、「好き」を仕事にすることのポイントについてお伝えしたいと思います。
「好き」を仕事にする、の落とし穴
「好き」を仕事にしようと思うとき、皆さんはどのように考えるでしょうか。
ファッションが好きだからデザイナー、ゲームが好きだからプログラマー、心理学が好きだから心理カウンセラー...といった感じでしょうか。
考え方は間違っていないのですが、このままでは落とし穴にはまってしまうかもしれません。
何かを仕事にするには、その仕事で必要な「行動」について、それなりの時間をこなして人より上達する必要があります。
そのため、「好き」を仕事にするには、その仕事で大部分の時間を使う「行動」が好きであることが大切です。
ですから、その「分野」が好きであっても、その仕事で大部分の時間を使う「行動」が好きでなければ、うまくいかなくなってしまうのです。
例えば、以前、旅行が好きだから旅行のツアーガイドになったけれど、仕事がつまらなくなくて辛いという方がいらっしゃいました。
というのも、この方は自分が旅行をして知らない文化に触れたり現地の人と接したりすることが好きだったのですが、ツアーガイドが大部分の時間を使う「行動」である、人の旅行のチケットの手配や管理をしたり、安全や体調管理をするのはそこまで好きではなかったからということでした。
ポイントは好きな行動を見つけること
このような落とし穴にはまらず、「好き」を仕事にするには、その仕事にはどのような行動が必要なのかを理解して、自分が好きな行動が多い仕事を選んだり創ったりすることがポイントです。
そのためには、まず、自分の興味がある分野の仕事にどのような「行動」があるのか調べてみましょう。
「自分の興味がある分野にどのような仕事があるのかが分からない方は、こちらのサイトにある親子で「『好き』につながる仕事」を発見「ぽいぽいぽんっ!」というツールがおすすめです。
このツールを使うと、自分の興味のある分野にどのような仕事があるのかとその概要が分かりますので、その概要をきっかけにさらに興味が湧いたら、ネットでその仕事についている方のインタビュー記事や動画などで仕事の行動について知ったり、実際に働いている方のお話しが聞けるような機会があれば聞きにいったりして理解を深めましょう。
また、自分が好きな「行動」について知ることも大切です。
自分で自分の好きな行動を分析するには、以前の続・「やりたいこと」がわからないでご紹介した「自分史」を書いてみると見えてくることがあると思います。
そして、自分で分析をすることも大切ですが、本当に好きな行動というのはあまりに自然にやっており自分では気づかないことが多いため、人の力を借りること(他人に自分のことを診断してもらう他己診断)も有効です。
お友達、先生、保護者の方に「私ってどのような行動をしていることが多い? どんなことをしているとき楽しそう?」などと聞いてみるのも良いと思いますし、
こちらのサイトに、きっかけとして使いやすい親子で分析をする「他己診断」たこしん!というツールもありますので、よかったら試してみてください。
好きな行動を増やしていくことも大切
ここまで紹介してきたような分析をして、なんとなく自分の「好き」な行動が見えてきたら、高校生向けの体験イベントや、SNSの発信、ボランティアなどできるところからで構いませんので、実際にその行動を積み重ねてみて、続けることができそうか試してみると良いでしょう。
そして、ここまではみなさんの既にある「好き」な行動を活かすことについて考えてきましたが、忘れたくない視点が「好き」な行動を増やしていくこと。
みなさんはまだ若くこれからの経験次第で、新しい「好き」に出会っていくことができます。そのため、現段階の「好き」に囚われ過ぎず、興味のあることにはどんどんトライして「好き」な行動を増やしていくことで「好き」を仕事にすることに近づいていきますよ。
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- プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)
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U-Discovery代表。国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。
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