ひとり親家庭や経済的に厳しい家庭を支える進学支援制度
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「ひとり親家庭なので、大学に進学するのは難しいかも・・・」「経済面で不安なので進学はあきらめた方がいいのでは・・・」など、漠然とした不安を抱えていませんか? 大学や短期大学、専門学校など、進学するには大きなお金が必要です。でも、給付奨学金の他、授業料減免の仕組みなど、ひとり親家庭が優遇される制度などもあります。もちろん、ひとり親家庭でなくても経済的に厳しい家庭を支える制度も存在します。要件を満たす必要はありますが、上手に利用することで教育資金の不安を軽減することができるかもしれません。どんな制度があるのか?まずは知ることからはじめてみましょう。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度
国内の大学や短期大学、専修学校などで学ぶ人を対象とする国の奨学金制度です。奨学金は、返済が必要な「貸与奨学金」、返済が不要な「給付奨学金」の2種類があります。
①貸与奨学金(返済が必要)
無利子の「第一種奨学金」、有利子の「第二種奨学金」があります。学力基準(高校の成績)と、収入基準(所得の上限額)が設けられています。
詳細は下記公式サイトで確認してください。
参考:貸与奨学金(返済必要)|JASSO
②給付奨学金(返済は不要)
返済する必要がないため、経済的に厳しい家庭にとってはとても助かる制度です。学力基準(高校の成績)の他、世帯の収入・資産などの収入基準があります。申請する学生の意欲も重視されます。給付奨学生として採用されると、収入基準(世帯の所得金額に基づく区分)に応じて決められた奨学金を毎月受給することができます。国公立か私立か、自宅通学か自宅外通学」かによって、給付される金額が異なります。
【収入基準による区分】
生計維持者の所得が基準となります。
下表は、2026年度進学予定の方で、予約採用のケースです。
出所:進学前(予約採用)の給付奨学金の家計基準|JASSO
「生計維持者」とは、学生の生活費や学費を実際に負担する人物を指し、父母がいる場合は、原則として父母(2名)が該当します。ひとり親の場合は「離婚(養育費などの支援の有無)・死別」など、状況に応じて「生計維持者」として誰が該当するかが異なります。
また申請する際に「ひとり親家庭等証明書」「所得証明書類」などが必要になる場合がありますので、自治体窓口や高校の奨学金の担当者に早めに相談しましょう。
生計維持者に関する詳細は、下記のQ&Aをご確認ください。
参考:生計維持者に係るQ&A【令和6年4月22日】(予約採用)|JASSO
【私立の大学・短期大学・専修学校(専門課程)の場合の支給月額】
収入基準に基づく支援区分に応じて下表の金額が毎月給付されます。こちらは私立大学等のケースで、国公立、専門学校等の場合は給付額が異なります。
その他の区分については日本学生支援機構のサイトでご確認ください。
※生活保護(扶助の種類を問いません。)を受けている生計維持者と同居している人及び社会的養護を必要とする人で児童養護施設等から通学する人は、上表のカッコ内の金額となります。
出所:給付奨学金の支給額|JASSO
高等教育の修学支援新制度
ひとり親家庭などの経済的に厳しい人も学びたい気持ちがあれば進学できるように、国が実施している制度です。この制度の支援を受けるには、日本学生支援機構の給付奨学金に申請・採用されることが前提になるため「給付奨学金」の採用候補者に決定すると、あわせて入学金や授業料の減免が受けられるようになります。
授業料等減免の上限額(住民税非課税世帯)は下表のとおりです。
出所:学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度|文部科学省
所得が増えるにしたがって、2/3、1/3と支援額が減少します。「入学金」の免除・減額を受けるためには入学後3か月以内に申し込む必要があります。
ほとんどの大学・短期大学(令和7年11月時点で95%以上)はこの制度の対象になっており、対象機関は文部科学省のリストで確認できます。
高等教育の修学支援新制度の対象機関リスト
参考:進学資金シミュレーター|JASSO
(奨学金制度の対象になりそうかをおおまかに調べることができます。)
給付奨学金や授業料等減免は、返済義務がない点は安心ですが、単位取得数や出席率等が基準を満たさない場合、警告を受けたり、支援が打切り(廃止)になったりする可能性があるため注意が必要です。
参考:高等教育の修学支援新制度の学業要件について|文部科学省
国の教育ローン(日本政策金融公庫)
経済的に厳しい場合に進学資金を借りることができる制度です。奨学金は学生本人が利用するものであるのに対し、教育ローンは主に保護者が子どものために利用するものです。まとまった資金を借りることができるため、入学金や授業料などの初期費用の支払いにも利用できます。ひとり親の場合、金利や保証料において優遇措置があります。
【国の教育ローンの概要】
融資対象者:子どもの保護者など
借入上限額:子ども1人当たり上限350万円(一定要件に該当する場合 450万円)
(世帯年収の上限があります。お子様の1人の場合 790万円)
教育ローン用 返済シミュレーション|日本政策金融公庫
金利 :固定金利 3.15% (令和7年9月時点)
ひとり親の場合、要件を満たせば▲0.4%の優遇金利が適用されます
(母子家庭、父子家庭で、世帯年収200万円/所得132万円以内の方が対象)
申込時期 :受験前でも申し込み可能、入学後も随時受付可能。
(審査に時間がかかるため、必要時期の2~3か月前に申込みましょう)
使い道 :入学金や授業料の他、パソコン購入、定期代、予備校代など
保証 :機関保証制度(教育資金融資保証基金)の利用が可能(連帯保証人無しの場合)
母子家庭・父子家庭などの場合は、教育ローンの保証料が2/3に減額される優遇措置あり
その他 :学生支援機構の奨学金と併用も可能
国の教育ローン :教育一般貸付(国の教育ローン)|日本政策金融公庫
機関保証制度 :ご利用をお考えの方|公益財団法人 教育資金融資保証基金
その他の制度
ひとり親家庭や、経済的に厳しいご家庭の進学を支援する制度です。
【生活福祉資金貸付制度(教育支援資金)】
都道府県の社会福祉協議会が実施している制度です。低所得世帯に属する方が高校、大学、高等専門学校等に進学するために無利子でお金を借りることができます。
入学に必要な経費(就学支度費)として50万円以内(未払いの場合のみ)、就学するために必要な経費として大学の場合、月額6.5万円以内の貸付けを受けることができます。保証人は不要です。卒業後6か月の据置期間経過後20年以内が償還期限となっています。
詳細は、お住まいのエリアの社会福祉協議会にご相談下さい。
参考:教育支援資金のご案内|東京都社会福祉協議会
参考:都道府県・指定都市社会福祉協議会のホームページ(リンク集)|全国社会福祉協議会
【夢を応援基金 ひとり親家庭支援奨学金制度】
全国母子寡婦福祉団体協議会が実施している奨学金制度です。経済的に困難な中学・高校生・高等専門学校・通信制高校・専門学校1~3年生等に在籍する生徒が対象になります。
大学進学資金は対象になりませんが、高校在学中は利用できます。例年、4月中旬が申し込み締め切りとなっていますので利用を検討される方は、情報をご確認ください。
参考:夢を応援基金「ひとり親家庭支援奨学金制度」|全国母子寡婦福祉団体協議会
【看護士や保育士、介護福祉系に進学したい方のための支援制度】
専門学校等の卒業後、一定期間その職に従事し、要件を満たすことで返済が免除される貸付制度です。
詳しくは下記コラム参照ください。
看護師や保育士など、介護・福祉系に進学したい方のための資金支援制度|親子で考える17歳の進路
まとめ
進学にはお金がかかるため、不安を感じるご家庭も少なくありません。特にひとり親家庭や経済的に厳しい状況にあるご家庭では、その負担をより一層大きく感じることもあると思います。けれど、経済的な理由だけで学びをあきらめる必要はありません。給付奨学金や経済面を支援する制度など、大学や専門学校への進学を支える仕組みが用意されています。上手に活用することで、進学の選択肢は大きく広がります。
大学や専門学校など、進学した先での学びは、将来の仕事の選択肢を広げ、自分の可能性や市場価値を高めてくれる大切な投資です。「やってみたい」「学びたい」という気持ちを大切にして一歩踏み出してください。
- プロフィール : 合田 菜実子(ごうだ なみこ)
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ファイナンシャルプランナー(CFP® 1級FP技能士) 国家資格キャリアコンサルタント 和光大学特任准教授 スカラシップアドバイザー(日本学生支援機構) 日本FP協会パーソナルファイナンスインストラクター 基礎心理カウンセラー
子育て期間中にファイナンシャルプランナー資格を取得。現在は、お金とキャリア教育の専門家(マネキャリサポーター®)として、若者たちの豊かな未来のために「金融経済教育」に積極的に取り組んでいる。金融庁関連、日本FP協会主催セミナーの他、大学や小中高校におけるお金の授業、高校での教育資金準備講座など講演多数。著書は『教えて合田先生!18歳までに知っておきたいお金の授業』(C&R研究所) 『子育て主婦が知っておきたいお金の話(経法ビジネス出版)』『小学生でもわかる、お金にまつわるそもそも事典』(C&R研究所 共著)など。
JFLEC (金融経済教育推進機構)認定アドバイザー
アドバイザー紹介ページ
日本FP協会パーソナルファイナンスインストラクター
https://www.jafp.or.jp/personal_finance/high/inst_disp/
和光大学特任准教授
https://www.wako.ac.jp/faculty-postgraduate/economics-business/economics/teacher.html
ウーマンライフパートナー会員 Women Life Partner
https://wlp.or.jp/
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- https://www.fpcareer.net/