category:入試対策親子で読みたい
進学NEWS
2022.12.01

受験のプレッシャーに押しつぶされそうです

こんにちは。キャリアコンサルタントの中村です。


いよいよ受験勉強もラストスパートですね。日に日に迫ってくる受験日に気持ちが焦ってしまったり、周囲状況を見て不安になったりすることもありますよね。

今回はそんな受験のプレッシャーにどのように対処していったらいいかお伝えできればと思います。

■感情と少し距離を取ろう

プレッシャーに押しつぶされそうになっているときは、自分とプレッシャーを感じている感情が一体化してしまっているときです。


そのためプレッシャーを感じている感情と少し距離をとることが大切です。


まず、すぐにできることとしては物理的な距離をとることです。


ずっと机に座っているなど、受験を意識してしまう環境にいるとなかなか自分のプレッシャーを感じる感情と離れることも難しいです。

そのため、近くでいいので外に出てお散歩をする、買い物に行くなどして、環境を変えてみましょう。


単純ですが、人間は見える景色を変えたり、体を動かしたりすると気分が変わりやすいと言われているのでおすすめの方法です。


次に、できることとしては、プレッシャーを感じている自分の感情を客観視することです。


やりやすいのは今の感情を紙に書き出してみること。誰かに見せるものではないので、文字の読みやすさはお構いなし、書き殴る感じでいいので、出てきたものをそのまま書き出してみましょう。


次にちょっと変わった方法ですが、自分の感情に名前をつけてみるという方法もあります。不安さん、もやもやさん、焦りさんなどの直球のものでもいいですし、アニメなどのキャラクターでイメージしやすいものでもいいです。

そして、もしプレッシャーを感じて不安になったら、「あぁ、不安さんまた出てきたな」と少し引いた目で感じてみるのです。


人間は思っている以上に自分の内側で起こっていることを整理できていないものです。

紙に書き出した自分の文字を見たり、名前をつけて自分と切り離した存在として認識したりして客観視できてくると、案外冷静になって、「ああ、自分はなんてことを考えていたんだろう・・・」といった感じで気持ちが落ち着いてきます。


さらに、忘れてはいけないのが睡眠です。勉強を根詰めすぎて睡眠不足になっていると、気持ちが落ち込み、頭が働くなって負のスパイラスに落ちていくので、睡眠時間は十分に確保するようにしましょう。


あとは、否定せずによく自分の話を聴いてくれるような(ここは大事。否定してきて話を聴かない人に話すと逆効果になることも...)保護者の方やお友達、先生など身近な人がいたら、素直に話をしてみるのもいいでしょう。話を受け止めてもらえたり、いいアドバイスをくれたりして気持ちが楽になるかもしれません。

■道は一つじゃない

他には、このようにプレッシャーを感じている大きな理由として「この道しかないんだ!」「失敗したらおしまいだ...」などと考えているということもあると思います。


しかし、実際には道は一つではありませんし、おしまいでもありません。


さまざまな社会人のキャリアについてお話を伺うなかで当時の自分にとっては予想外だったけれど、偶然進んだ進路が後々うまくいったというケースは多々ありますし、有名なキャリア理論「計画的偶発性理論(クランボルツ教授)」によると、「キャリアは8割が偶然に左右されている」とも言われています。


つまり、たとえ違う道にいったとしても、それをポジティブに捉えて生かすことができれば案外良い未来が待っているかもしれません。


もちろん、第一志望の道に進まれることを私も応援しておりますが、万が一うまくいかなかったとしても「なんとかなる!」と思えたほうが、気持ちが軽くなるのではないでしょうか。

■目の前のことに集中して積み上げる

ここまで、お伝えしてきたことで気持ちが少し軽くなってきたら、ラストスパートでできることとしては、課題をできるだけ具体的にして、目の前のことに集中して取り組んでいくことです。


人間、課題が漠然としていると不安に感じるものです。

考書や今までの模試の結果など改めて全体を見直して、抜け落ちているところはないか、得意なところはまだ伸ばせる箇所がないかなど、こちらも紙に書くなどして、客観的に整理して、具体的にやることリストを作って、スケジュールに落とし込んでいきましょう。


やりことが見えてきたら気持ちが落ち着いてくると思うので、あとは腰を据えて一つ一つに集中して、積み上げていきましょう。


社会人でもさまざまな分野で活躍されている方のお話を伺うと、人間なのでプレッシャーを感じたり不安になったりすることはあるけれど、自分なりに感情に飲み込まれすぎない工夫をして前に進んでいらっしゃいます。


今はなかなかしんどい時期ですが、自分なりに工夫してガス抜きしつつ、前に進んでいきましょう!

[中村 文香]
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プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)

U-Discovery代表。国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。

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