将来奨学金を返済する子どもに伝えたい、お金のはなし
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子どもがいるご家庭では、将来、子どもが奨学金を利用することを前提に、教育費を準備するケースも増えています。ただ、奨学金と一口に言っても、子どもの教育にかかる費用全てを補えるとは限りません。さらに、奨学金には返済不要な奨学金と返済が必要な奨学金があり、返済が必要な奨学金でも、無利子と有利子のものなど種類も様々です。今回は将来、返済が必要な奨学金を利用している子どもに伝えておくべき注意点を確認しておきましょう。
奨学金を借りる前に確認しておきたいポイントとは
子どもの教育費の準備を「いつから始めるか」、「いくら準備するか」、「その方法は?」という方針がそれぞれの家庭によって異なるのは自然なことです。教育費の準備方法としては、学資保険や終身保険への加入や、児童手当を貯蓄して備えるなどが挙げられます。教育費の準備をするのに奨学金の利用を前提にすると、「いずれは準備をしなければ」と思いながらできていないこともありえます。まだ本格的に子どもの教育費の準備に困っていない方なら実感しにくいかもしれません。しかし、将来にわたって教育費が不足しないかの確認をすることはとても大切です。たとえば、子どもが今高校3年生であれば、これからかかる塾や予備校代、受験料や入学金など、受験にかかる費用を予測し、大学進学後の費用まで含めて試算してみましょう。子どもが小中学生など、まだ将来の進路が不確定で教育費をどれくらい準備すればいいかわからない方は、おおよその金額でも構いません。進路が具体化した段階で、定期的な見直しをすればいいのです。「確定していないから」と計算を後回しにするのではなく、まずはいくら必要でそのうち準備できる金額はいくらかという予測でかまいません。最近はネットでもシミュレーションできるサイトがあるので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
教育資金はいくら必要?かかる目安額をご紹介|日本政策金融公庫
必要なのは、実際にかかる教育費だけでなく、収入や家庭の状況も踏まえた定期的な見直しです。予想より教育費が高くなっていることに気づいた時点で、今後もその状態が続くのか、不足した分として奨学金をどれくらい借りればいいのか試算しましょう。奨学金を借りる時には、借りられる上限額ではなく、卒業後に無理なく返済できる金額を基準に、必要最低限の借入額を検討することが大切です。これを「奨学金を借りる前に」必ずしておきましょう。
奨学金をすでに借りている方はここに注目!
奨学金をすでに借りている方は、奨学金の条件を見直してみましょう。その奨学金が、給付型なのか貸与型なのか、それとも併用なのかを確認してください。もし貸与型なら、すぐ確認すべきポイントがあります。数年前までは、定期預金でもほとんど利子はつかない、住宅ローンを借りても低金利という状況でしたが、ジワリと金利上昇の時代は始まっています。貸与型の第二種奨学金を借りている方は、特に注意が必要です。返済が始まるのは、貸与終了の翌月から数えて7か月目に始まります。貸与期間中は無利子ですが、貸与終了の翌月1日から利子が発生します。注意すべきは、利率は奨学生に採用された年度によって異なる点です。 例えば、令和3年4月に利率固定方式を選択していると0.268%で利率見直し方式を選択していると貸与利率は0.003%です。一方、令和8年4月の利率固定方式は2.722%で利率見直し方式は1.874%です。(2026年8月時点)
貸与利率の推移 | 独立行政法人日本学生支援機構
利率固定方式であれば、貸与終了時点で決定した利率が返還完了まで適用されます。高い利率であってもずっとそのまま適用されるということです。一方、利率見直し方式は、5年ごとに利率が見直しされます。 利率は、奨学金の申込時に選択した「利率の算定方法」に基づいて算定されます。 なお、利率の算定方法は、貸与が終了する一定期間前まで変更ができます。市場金利の変動が反映されます。注目すべきは、第二種奨学金でも、在学中は利子が発生せず、貸与終了後から利子がつく点です。返済は貸与終了後に始まりますが、在学中から返還開始後の負担を見据え、繰上返還の可否や利率を確認して算定方式の変更を検討するなど、奨学金を借りた後にもできることがあります。
親世代と子ども世代とで異なるお金の常識
少子化が進む中、令和8年4月からは、「子ども・子育て支援金」が幅広く医療保険加入者から徴収され、子どもへの支援がさらに手厚くなりました。幼稚園保育園の無償化、自治体による医療費自己負担の支援、高校無償化、高等教育費の修学支援、多子世帯を対象とした大学等の授業料や入学金の無償化など、子どもへの支援は拡充を続けています。もし、計画的に教育費を準備することでお金に余裕が生まれれば、「投資」を視野に入れることも考えてみてください。2027年には、こどもNISAが始まる予定です。この制度を活用すれば子ども自身が投資を通じて資産を形成する過程が実感できるため、子どもの将来のために「自分で資産形成すること」の大切さを伝えることにつながるかもしれません。利益が出ることでまとまった金額で奨学金の繰り上げ返済も検討できます。進学先を卒業した後、順調に返済できていれば問題ありませんが、万が一返還が滞ってしまったときには、督促がされます。督促は文書と同時に電話でもされます。約束の返還期日を過ぎると、年3%が延滞日数に応じて延滞金が課されます。総返済額が増えるだけでなく、延滞情報が個人信用情報機関に登録されます。登録された情報は返還完了から5年後に削除されますが、登録されている間は、クレジットカードの作成や、住宅ローンの利用を申し込んでも、審査に通らない可能性があります。奨学金は、「借金」と深刻に捉えていない方もいるかもしれません。しかし、奨学金は返済が必要な借入金です。物価が上昇している今だからこそ、子どもには「奨学金を返済するすべ」は必ず伝えておきたいものです。返済が難しくなったときに取れる手段として、「減額返還制度」、「返還期限猶予」、「猶予年限特例」または「所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予」などの救済措置はあります。ただし、これらは返済を免除するものではなく返済を一時的に猶予する制度です。一時しのぎの方法であることは忘れないでください。
返還が難しくなった場合 | 独立行政法人日本学生支援機構
子ども・子育て支援金制度のQ&A|こども家庭庁
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- プロフィール : 當舎 緑(とうしゃ みどり)
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社会保険労務士。行政書士。CFP®
一男二女の母。阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。得意テーマは、教育資金の準備方法、社会保険の仕組み、エンディングノートの作り方、これから始めるやさしい終活、成年後見の活用方法、銀行を介さない家族信託の仕組みなど。著書は、『3級FP過去問題集』(金融ブックス)『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)など。
子どもにかけるお金を考える会メンバー
http://childmoney.grupo.jp/
一般社団法人かながわFP生活相談センター理事
http://kanagawafpsoudan.jimdo.com/
J-FLEC認定アドバイザー
https://www.j-flec.go.jp/advisors/
ウーマンライフパートナー会員 Women Life Partner
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