今準備している分では足りないことに気づいたら・・・
お金のことで進学をあきらめる前に、
知っておきたい「もらうタイプの奨学金」
国の高等教育の修学支援新制度「給付型奨学金」と「授業料等の免除・減額」
異次元の子育て支援が議論されていますが、現状の国の支援「高等教育の修学支援新制度」では、次の要件に当てはまれば「給付型奨学金」が支給され、かつ「進学先の授業料・入学金が免除・減額」されます。
① 一定の要件を満たすと国が確認した大学、短大、高等専門学校、専門学校に通う生徒
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/index.htm
② 住民税非課税世帯などの収入・資産要件を満たし、進学先で学ぶ意欲がある者
「住民税非課税」となるのは、例えばひとり親の場合「前年の世帯の合計所得が135万円以下」で、給与収入にすると204万4,000円です。もらえる奨学金ということで条件的にはかなり厳しくなっています。
ただ、所得が少しでも基準を超えてしまうと給付型奨学金や授業料等の減免が全くなくなるわけではありません。支援の基準は3段階あり、例えば下記のように、本人(私立大学に通う自宅外生)・父・母・中学生の家族で収入のある者が1名の場合、収入の目安が380万円までなら支援を受けられる可能性があります。
出典:(独)日本学生支援機構、文部科学省
例にあげられた私立大学に通う自宅外生は、国公立大生や自宅通学生に比べて学費・生活費が最も高額になるコースです。仮にこの大学生が私立・自宅通学の場合は住居費がかからず生活費は抑えられるので、給付型奨学金の上限額(赤枠部分)は約46万円になります(学校種区分別の支給額はリンク先参照)。
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/index.htm
世帯収入が支援対象に当てはまるかどうかは、独立行政法人日本学生支援機構のHPでシミュレーションができます。
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/oyakudachi/document/shogakukin-simulator.html
給付型奨学金の申し込みは、4月と9月頃の年2回、在学中の学校を通じて(独)日本学生支援機構に申し込みます。別途、進学した大学等に入学後3か月以内の定められた期日までに申し込むと、授業料や入学金の減額や免除を受けることができます。
ただ、基準となる住民税の情報は6月になるので、申込時に条件があたらなかったとしても、入学後の6月に再度確認をしてみましょう。
大学独自・自治体・支援団体が行う奨学金制度やその他の選択肢
国の支援制度のほかにも、大学等が独自に実施する奨学金や授業料の減免制度、地方公共団体や奨学金事業実施団体が行う奨学金制度もあります。ただ、単発の給付だったり出身地に限っていたりと、条件は各々で定められています。(独)日本学生支援機構のHPでは、大学・団体名や条件を入れて自分に合う奨学金を検索することができます。自分に合うものがあるか検索してみましょう。
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/dantaiseido/index.html
給付型奨学金は、今のところまだ少ないのが現状です。学費負担を減らすには、大学等の昼間部にこだわらず、働きながら学ぶことに目を向けると選択肢は広がります。
例えば通信制の大学はeラーニングが主体なので、毎日の通学や入学のための転居は必要なく、昼間部に比べ授業料等も少なくて済みます。看護系への進学を希望している場合は、卒業後に3~5年働くことを条件に、返済を免除する奨学金制度を持つ病院もあります。文部科学省以外の省庁が管轄する学校では、国防などの分野で訓練を受けながら給料も得られるケースもあります。学力的な難易度も考慮しながら、希望が叶う方法を探してみましょう。
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