どうする? 受験対策(塾・予備校)費、わが家流の見つけ方
中学・高校生の学校以外の教育費は月平均2万円
ソニー生命「子どもの教育資金に関する調査2022」によると、スポーツや芸術などの習い事、家庭学習、教室学習への1ヶ月あたりの平均支出金額は、子ども1人につき14,429円。2021年の13,267円よりも1,162円の増加となりました。最も高額なのは中学・高校生で、平均20,580円となっています。
中学・高校生の場合、学校以外の教育費の中心は、やはり塾や予備校代です。受験対策として利用する場合、塾・予備校が持つ分析データや指導ノウハウは断然有利になります。一方、システムが確立している分、料金は高額になりがちです。
家計から出せる金額でいかに受験対策をするかは、多くの家庭に共通する悩みでしょう。「あまり余裕はないけれど、何か目安になるものを」ということであれば、月2万円程度、さらに初期費用や模擬試験などを加味し、年間30万円程度は見積もっておきたいところです。
「子どもの教育資金に関する調査2022」 ソニー生命保険株式会社
高校までの教育費は日々の家計で賄うのが基本
子どもの進路を大学や専門学校への進学を前提に考えると、高校卒業までに子ども1人につき300万円以上の教育資金を積み立てていくことになります。家計の中で、住宅ローンやその他の支出費目とのバランスをとるためには、「高校までの教育費は、日々の家計から支出する」が基本です。
大学等の受験対策費用も例外ではありません。家計を点検して受験対策のために支出できる金額を確認しておきましょう。家計が赤字でなければ、現在の子どもの学校外教育費(お稽古事や塾・予備校代)は維持できるはずです。
下の子の成長等により増額が予測される場合、増額分の教育費は、①収入アップで賄う、②家計を見直して捻出する、③本当に必要な費用かを検討することになります。
特に③については、職業や生き方の選択肢が増え、「レールに乗るための受験」が成立しづらくなった現在、受験の先にある「進学の目的」に意味が増していると考えます。家計の状況や子どもの希望は変化することがあるので、一度だけでなく折に触れて親子で話し合い、確認していきましょう。
学習の方法を再検討してみる
受験対策は、塾・予備校が提供するシステムに乗るということではない、とゼロベースで考えると選択肢は広がります。費用の捻出が難しい場合は、発想を変え、経済的に身の丈に合う受験準備をするのも一つの手段です。受験対策費を家計から新たに捻出できなくても、現在負担している学校外教育費を見直し、それを受験対策費用に充てることで、原資は確保できるでしょう。その中で何ができるかを探してみる、ということです。
例えば、塾の中にはオンライン中心で受講する割安な形態のものもあります。通常の塾・予備校を利用する場合でも、1年間ではなくスポット的に利用できるかどうかも確認してみましょう。得点源になる科目に絞って受講したり、夏季講習を利用したりという具合です。
経済的な事情や時間的な制約の中でよりよい選択をしていくことは、受験に限らず人生の多くの場面で経験します。比較検討することの大切さを知るという意味でも、親子で協力して情報を集め、共有していくことは、単に受験費用を出すよりも価値あるお金の使い方になるかもしれません。
「子どもの教育資金に関する調査2022」 ソニー生命保険株式会社
https://www.sonylife.co.jp/company/news/2021/nr_220308.html
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