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進学NEWS
2022.02.01

専門学校の費用は大学とかわらない

専門学校の学費平均額

専門学校は、専修学校専門課程のことです。専修学校には「高等課程」「専門課程」「一般課程」があり、高等学校卒業後に専修学校進学を希望する人は専門課程か一般課程を選びます。高校を令和3年3月に卒業した人の17.3%が専修学校専門課程へ、4.2%が専修学校一般課程へ進学しています。
令和3年度 学校基本調査 卒業後の状況調査 高等学校全日制・定時制

専門学校にはいろいろな分野の学校がありますが、すべての学校の昼間部の入学金を含む1年間あたりの学校納付金平均額は、東京都125.5万円(*1)、大阪府125.7万円(*2)です。

*1.「令和2年度専修学校教育白書」公益社団法人東京都専修学校各種学校協会/公益財団法人東京都私学財団
https://tsk.or.jp/documents/white_paper.php

*2.「大阪府私立専修学校・各種学校の現状 令和3年12月」/大阪府教育庁私学課専各振興グループ
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/6649/00000000/R03genjo.pdf

専門学校は2年制が多いから安く感じるだけ

専門学校は1年間で卒業できるものから4年間かかる学校・学科がありますが、昼間部は2年間(*3)が54.7%を占めています。2年間コースが半数超を占めているため、4年間の大学に比べると費用総額が低くなり、つい安い印象を持ってしまうのかもしれません。

*3.2年0か月~2年11か月
出典:令和3年度 学校基本調査 学校調査・学校通信教育調査(高等学校) 専修学校

初年度納付金は大学平均額と同程度

私立大学の初年度納付金平均額は約147万円ですが、これはかなり高額な医学部のデータを含んでいます。文科系は約126万円ですから、専門学校と同程度ということになり、1年間当たりで比較すれば専門学校が安いとは言えないことがわかります。

準備目標期日は高3の夏休み、入学手続締切日よりも前

まず確実に準備したいのは、入学金を含む初年度納付金の額です。これは、入学手続締切日までに余裕をもって準備したいものです。

実際は、授業料を前期後期の2つに分けて納める学校が多いので、初年度納付金額よりも少ない金額で入学手続きは可能です。しかし、入学半年後には残りを納めるのですから、金策に苦労しない為にも確実に早めに用意するようにしましょう。

専門学校は、入学手続き時に必要なお金について、大学に比べると臨機応変に相談にのってくれるケースが多いですが、人気のある学校・学科の場合、入学手続き時期が早い傾向がみられることも早めの準備が必要な理由です。

思い込みは禁物、情報のアップデートを

保護者は、専門学校進学を控えている子の兄姉や、場合によっては自分の頃の情報を思い出して、進学情報をわかったつもりになっていることがあります。

しかし、大学の受験方法や名称が変化しているように、専門学校も今と同じままとは限りません。用意すべき金額が安くなったり、用意すべき期日が遅くなるのであれば幸いですが、そのようなことはほぼないと考えておきましょう。

常に最新の情報を仕入れて子どもと共有し、お金の準備と手続きを成功に導いてください。

専門学校への進学を考えている高校生へ

あなたの方からも保護者に対してマメに情報提供すると同時に、決して安くない専門学校の費用の準備について、丁寧にお願いしてくださいね。

2年目以降(場合によっては1年後期でも可能)の学費は奨学金などの方法で学生本人が学費を準備することが可能ですが、入学手続きのお金を高校生の段階で自力で用意するのは難しいはずですから。

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[菅原 直子]
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プロフィール : 菅原 直子(すがわら なおこ)

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、教育資金コンサルタント

会計事務所向けオフコン販売、外資系生命保険会社勤務・同代理店経営を経て、1997年よりファイナンシャル・プランナー。公私立高校や自治体などで保護者・生徒・教員のための進学資金セミナーおよびライフプラン講座・相談会は関東を中心に10年以上にわたって300回超。新聞や雑誌への取材協力や執筆、働けない子どもに関する家計の相談も行う。地元湘南地域密着のFP活動も展開中。3男子の母。

■著書

共著『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)

『子どもの教育費これだけかかります』(日労研)


■所属団体

日本ファイナンシャル・プランナーズ協会

子どもにかけるお金を考える会

働けない子どものお金を考える会

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