category:進学費用親子で読みたい
進学NEWS
2021.06.01

教育ローンで進学資金を用意する方法と老後資金の準備

進学費用や教育資金をコツコツ積み立てている方も多いと思いますが、お子さんが想定していたのと違うお金のかかる学部を目指すなどで不足してしまうこともあります。その時の対処法のひとつに老後資金として貯蓄していた分を充てる、教育ローンを利用するなどがあります。
とりあえず手元にあるお金で対処しようと思うことは当然かもしれませんが、すべてを教育資金にしてしまうと、後々老後資金に不安を覚えることになる可能性があります。奨学金のように将来的に子どもに負担がかかることを避けたい場合の、親がお金を借りるかたちとなる教育ローンで進学資金を用意する方法と、老後資金について考えてみたいと思います。

教育ローンはどこで借りる?

教育ローンには大きく分けて2種類あります。国、つまり日本政策金融公庫が運営する教育一般貸付と銀行などの金融機関の教育ローンです。

2種類の教育ローン

条件的に借りられるのであれば、国の教育一般貸付を申し込んでみることをおすすめします。金利も低く固定金利なので、まずは第1候補で考えましょう。ただし、収入要件に上限が設けられているため、これを超える場合は民間の金融機関で考えることになります。
また、教育一般貸付は350万円が上限のため、足りない場合も想定されます。その場合も他の金融機関で不足分の借り入れを考えることになります。

金融機関の貸し付け条件は金融機関ごとに異なりますが、多くは年収200万円以上、継続して安定収入がある方が対象となっています。
また、時期にもよりますがインターネット経由での申し込みの場合、店頭表示より0.5%安くなる、すでに住宅ローンを借りている場合は教育ローンを借りる際、いくらか安い金利になるなど、それぞれの金融機関で独自の施策を行っている場合もあるので、まずはメインバンクの教育ローンを調べてみるとよいでしょう。メインバンクでメリットがない場合はなるべく貸付金利の安い、必要金額を融資してもらえる金融機関で申し込みをしましょう。

老後資金を教育費に充てることも

できれば借り入れはしたくないと考える親御さんもいると思います。手元に老後資金として現金化できる貯蓄があれば、それを教育資金にという気持ちもわかります。ただ、老後資金のすべてを使ってしまうと、ある程度の年齢になったときに老後資金が足りないという現実に直面することが考えられます。
もちろん、きちんと安定した収入があり、その後の貯蓄ができれば問題ありませんが、30代後半や40代になってから老後資金を一から考えるとなると実際に自分がどのくらい資金が必要なのかを知り、計画的に貯蓄していかなければ非常に困ることになります。

老後資金はいくら必要か

自分が老後資金としていくらくらい必要なのかは、公的年金の種類(国民年金or厚生年金)、収入などにもよりますが、ざっくりとでも試算してみるとよいと思います。
毎年誕生日月に年金定期便のお知らせが来ます。年金定期便で今現在の年金受取額の試算を見ることができるので、これを参考にしてください。
退職時の年齢から、自分が何歳まで生きるかを想定して、その年数に現在の生活費で良いので1年分の生活費をかけると、大まかですが必要な金額が見えてきます。そこから年金定期便の年金額を引くと、差額が不足分として算出されます。この金額を目標に貯めていくことが大事なのです。

目の前の子どもの教育費は大切ですが、その後の自分の老後資金も並行して考えておくことも将来慌てないためには必要です。
他の目的に使えず、老後資金を確実に貯める貯蓄法として、確定拠出年金があります。会社で加入している場合は大いに活用してください。会社が加入していない方は、税金の優遇措置を最大限に利用できる、個人型確定拠出年金のiDeCoで少しずつでもコツコツ貯めはじめてはいかがでしょうか。

ハッシュタグで関連記事を見てみる
#ファイナンシャルプランナー , #教育ローン , #矢澤理惠 , #老後資金
[矢澤 理惠]
photo.jpg
プロフィール : 矢澤 理惠(やざわ りえ)

株式会社オフィスヤザワ代表
CFP®
WAFP関東(女性FPの会)元理事


ファイナンシャル・プランナーを目指したきっかけは「知らないと損をする」ことを自分で実感したため。
祖父母の相続時に発生した「争続」、何の対策もしておらず2度も払った多額の相続税。
その時に「前もって知っている大切さ」に気づき、知っていると得をする、幸せになることが世の中にたくさんあるとお知らせするべく、個人相談、執筆を行うとともに、資産運用・ライフプランニング・相続セミナーを3本柱としてとして活動中。


■経歴
郵政省時代、東京都港区の特定郵便局に勤務。その後、横浜に転勤、半年後に民営化を控えた平成19年に退職し、独立系ファイナンシャル・プランナーに転身。FPのかたわら、自由が丘でローカーボCafé&Barの店長としてバーテンダーを務めた。
2018年7月車のパーツショップを、2019年10月には横浜市青葉区にてローカーボ(低糖質)のダイニングバーをオープン。
現在は3足のわらじを履いている。

インフォメーション