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進学NEWS
2020.08.01

高校生がアルバイトをする理由と保護者のサポート

目的は家計補助と進学用の貯蓄+少しの遊ぶお金

高校が生徒にアルバイトを禁止する理由は、学業に専念させるためであったり、理由はなくても校則で決まっているからダメなものはダメということもあるようです。また、未成年には不適切で危険なアルバイト先もあるため、最初からすべてNGとすることで生徒を危険から守っているということもあります。

ただ、学業に支障のない範囲に限り、高校生にふさわしい内容かつ家計を助けるためなどの正当な理由があれば認める学校もあります。以前、筆者が進学資金相談に訪ねた高校では、高校側が積極的にアルバイトをすすめるケースもありました。高校側にも「正当な理由」があったからです。

高校生の中には、お小遣い稼ぎでアルバイトをする生徒もいますが、進学資金を自力で用意するために働こうとする者もいます。高校側の「正当な理由」は、進学によって自らの生きる道を切り開くようにと指導しても、資金面では保護者頼みにならざるを得ず、結果的に進学を断念してしまう状況の生徒を応援するというものでした。

保護者に資金的余裕がなくても、生徒が奨学金を利用することで自力進学は可能である...と言いたいところですが、入学手続き時の費用は奨学金でまかなうことができません。合格通知を受け取ってから2週間程度以内に、数十万円~100万円程度を現金で納める必要があるにもかかわらず、家庭にその準備がなかったり、保護者が借り入れできない状況にあるなど、入学手続き費用を工面できないケースはままあるものです。

高校側は学業に差しさわりのない働き方の相談にのり、進学希望の生徒は1年生の早い時期からコツコツと働くことで、3年生の秋から冬までに入学手続き費用を積み上げていくのです。

進学費用以外にも、修学旅行代や、部活の連絡に必要なスマホの購入と通信料をアルバイト代で払う生徒や、自分の食費を家計に入れる生徒もいます。

学業とアルバイトを両立できるよう見守りを

平成28年、厚生労働省では「高校生に対するアルバイトに関する意識等調査」を行いました。

アルバイトという肩書であっても時給や業務内容、退職に関することなどは事前に取り決めがあるものですし、労働条件は書面で受け取ることができます。

けれど、高校生は法律で決められている労働条件について十分に知らないことも多く、32.6%の高校生がトラブルがあったとしています。休憩をとることができなかったり、本来禁止されている深夜労働や休日労働をさせられたり、働いた時間分のアルバイト代が払われなかったり、という法律違反のおそれがあるものもあり、8.2%はアルバイトによって勉強に支障があったと回答しています。

アルバイトで困ったことが起きた際の相談相手として一番多いのは「家族」でした。

労働条件などで困った時にとった行動

保護者や祖父母、社会人である兄姉は、高校生にとって頼りになる身近な大人です。直接的に解決することはできなくても、高校生にはハードルの高い役所や専門家へつなぐこともできるでしょう。高校生がアルバイトを始める際には、労働条件の載っている書類をもらえることを話してあげてください。学業を続けるための経済的手段としてアルバイトをする高校生が、そのアルバイト先でトラブルに遭わないよう、もし遭ってしまった場合にもトラブルが小さいうちに解決できるよう、アルバイト先でのできごとについて、小まめに話を聞いて見守っていきましょう。

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#ファイナンシャルプランナー , #菅原直子 , #高校生のアルバイト
[菅原 直子]
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プロフィール : 菅原 直子(すがわら なおこ)

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、教育資金コンサルタント

会計事務所向けオフコン販売、外資系生命保険会社勤務・同代理店経営を経て、1997年よりファイナンシャル・プランナー。公私立高校や自治体などで保護者・生徒・教員のための進学資金セミナーおよびライフプラン講座・相談会は関東を中心に10年以上にわたって300回超。新聞や雑誌への取材協力や執筆、働けない子どもに関する家計の相談も行う。地元湘南地域密着のFP活動も展開中。3男子の母。

■著書

共著『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)

『子どもの教育費これだけかかります』(日労研)


■所属団体

日本ファイナンシャル・プランナーズ協会

子どもにかけるお金を考える会

働けない子どものお金を考える会