category:進学費用親子で読みたい
進学NEWS
2018.02.01

教育ローンを借りるときに知っておきたいポイントとは

借りるのは親であることを忘れないで

大学受験には、予想外の費用がかかるものです。私たち専門家(ファイナンシャルプランナー)が、参考として提示するのは、文部科学省や日本学生支援機構が公開している教育費のデータですが、実際にはこの参考にした金額よりも、多くかかるケースがほとんどです。ですから、大学受験の時期に、目標とする金額が貯蓄できておらず、やむを得ず教育ローンを借りることは珍しくありません。

ただ、ここで覚えておいていただきたいのは、奨学金を借りるのは「子ども」ですが、教育ローンを借りるのは「親」です。入学前に、入学金や下宿代、教科書代など、様々な用途に使える教育ローンに頼る気持ちもわかりますが、親が借りるということは、「親の老後資金が足りなくなる」リスクが発生するということを忘れないでください。

教育ローンを借りる前に

受験生がいる家庭では、「節約」はできないでしょう。夏期講習や冬期講習、更に正月特訓など、かなりの金額を払ったところに、1校当たり約2~3万円の受験料が家計を更に逼迫させます。この時点で貯蓄を崩す一方になっているご家庭も多いはずです。さらに大学に合格した時に、「とりあえず押さえておこう」ということで、入学しないかもしれない大学に入学金を納入するのは、今や常識となっています。

思ったよりも受験にお金がかかったからと言って、ここで絶対にしていけないのは、「とりあえず借りよう」と借りてしまうこと。教育ローンを借りる前に、必ず借りなければいけない金額を吟味し、例えば生命保険の契約者貸付制度など、何か他の制度が利用できないのかを調べましょう。

契約者貸付とは生命保険の解約返戻金の範囲内で、一定の金額を借りられる制度です。自分たちがこれまで支払った保険料を元手に借りるわけですから、借金が増えるわけではないことがポイントです。返せない場合、最悪保険が失効することもある、利率が高いケースがあるなど、誰にでも有利とは言えませんが、これまで保険の見直していなかった場合、高いままの保険に入っていたことに気づくなど、今後のライフプランを見直すきっかけになるケースもあるでしょう。

ローンの返済期間中に、住宅ローンの返済や介護にかかる費用など、今後老後資金の準備ができにくくなることを思えば、ローンはできるだけ「少なく借りる」ことが必須です。

民間の教育ローンを借りる場合、計画が大事

住宅ローン返済者のために金利優遇などもありますから、普段から銀行とのお付き合いがある方の場合、日本学生支援機構の教育ローンでなく、民間の金融機関で教育ローンを組むこともあるでしょう。子どもの在学中は、据え置き期間ということにして、利子のみを返済するケースもあるかもしれませんが、「楽だから」とこの据え置き期間を選ばず、最初の借入金額をできるだけ少なくし、着実に返済していく計画を立てましょう。

今は、企業の定年は60歳となっていても、実際は雇用継続や再雇用など、様々に働くことができるせいか、住宅ローンの返済期間も長くなって、月々の負担をできるだけ少なくして長い時間をかけて返済している方もいらっしゃいます。

しかし、住宅ローンを払いながら、教育ローンも返済するということは、老後破たんにつながります。既に住宅ローンなど、別のローンを抱えている方は特に、できるだけローン金額は少なく、早めに返す計画を立てることが大事です。計画にあたって、日本学生支援機構の教育ローンは、途中で繰り上げ返済をしても手数料はかかりませんが、民間の教育ローンは繰り上げ手数料がかかることにも注意しましょう。


入学金を自己資金で支払った後に、実はその金額も借りることができたとわかって、遡って教育ローンを借りるということもあるようです。ただし、いくら金利が低いといっても、借金は借金です。どうしても借りざるを得ない場合に借りることを否定はしませんが、借りるのであれば、20日ほどで入金されるからと、慌てていい加減な借り方をせず、あらかじめ親の方も自分のライフプランを見つめ直すことが求められます。

ハッシュタグで関連記事を見てみる
#ファイナンシャルプランナー , #教育ローン , #當舎緑
[當舎 緑]
tousha.jpg
プロフィール : 當舎 緑(とうしゃ みどり)

社会保険労務士。行政書士。CFP®

一男二女の母。阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。得意テーマは、教育資金の準備方法、社会保険の仕組み、エンディングノートの作り方、これから始めるやさしい終活、成年後見の活用方法、銀行を介さない家族信託の仕組みなど。著書は、『3級FP過去問題集』(金融ブックス)『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)など。

子どもにかけるお金を考える会メンバー

http://childmoney.grupo.jp/

一般社団法人かながわFP生活相談センター理事

http://kanagawafpsoudan.jimdo.com/

インフォメーション