そもそも、なぜ働くの?〜お金だけじゃない働く意味〜
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進路や将来のことを考えるとき、「どんな仕事に就きたいか」「どんな職業が向いているか」といったことを考えると思います。
ただ、中には、そもそも「あんまり働きたくないな〜」とか「なぜ人は働くんだろう?」といったことを考える方も少なくないかもしれませんね。
(実は私も学生時代は働きたくないな〜と思っていたうちの一人です。)
今回は、そんな"働く"ということについて見つめてみましょう。
■ 働くのはお金を稼ぐためだけ?
「なぜ働くのか」と考えるとき、真っ先に「お金のため」ということを思いつく方、多いのではないでしょうか。
もちろん、生活をするためにお金を稼ぐことは大切です。
けれど、人はお金のためだけに働いているわけではないんだなと色々な方のキャリアのお話を伺う中で実感しています。
人と関わる、何かを表現する、成長をする、感謝をかえす、生きている実感を得る、色々な経験をする、世界とつながる。
などなど、人それぞれ様々な意味づけをされています。
意味づけなんてなくてもOKなのですが、なかでも先ほど挙げたように、働くことに自分なりの意味づけを持って納得感を持っている方は、いきいきとその人らしい形で働いている方が多いように思います。
私自身は、働くことに、人との化学反応を楽しむという意味づけを持っています。
その意味づけは、皆さんはじめから持っていたわけではなくて、働いていく中で自分に問い続けているうちに形成されていくようです。
では高校生の皆さんにとってはどうでしょうか?
そう考えたときに、多くの高校生の皆さんにとって働くことは少し遠い存在かもしれませんね。
ここで、働くことについて私なりに少し解釈を広げてとらえてみると、
"働く"とは「自分が周囲の人に比べて少しだけ苦じゃなかったり、得意だったり、熱量を持てることを表現して、それが周囲の役に立つこと」と言えるなと思います。
たとえば、誰かを笑わせるのが上手な人がいて、その人の存在で場が明るくなる。そういった些細なことも"働く"ことと捉えてみる。
実際にそういったことが積み重なってストレートに芸人をされている方もいますし、お店の店員さんやサービス業のお仕事の一環で、人を笑顔にして活躍されている方もいます。
ただ、この「苦じゃないこと」「自分が得意なこと」「熱量を持てるもの」って、自分ではあまりに自然にやっているのでなかなか気づけないものです。
だからこそ、人と関わる中で少しずつ「自分らしい働く意味」に気づいていくことが大事なのだと思います。
■ 働くことと生きることは切り離せないのかもしれない
多くの人は「仕事=お金をもらうこと」と考えがちですが、
働くことについて先ほどお伝えしたような捉え方をしてみると、仕事の範囲って結構広いのかもしれません。
お金が発生しなくても、誰かの役に立っていたり、自分の情熱を注いでいたりすることも、立派な"働く"と言っていいのではないでしょうか。
たとえば、
部活で後輩を支えること。
友達の悩みを聞いてあげること。
先生の手伝いをすること。
家で家族が健康に暮らせるように家事をすること。
創作活動に夢中になってその作品が誰かの心を動かすこと。
ボランティアで誰かのサポートをすること。
それらも、社会の中で誰かを支える行為です。
"働"くって、肩書きや職業名で定義されるものではなくて、
人と人との間に生まれる"貢献のやりとり"なんじゃないかと私は思います。
そう考えてみると、このコラムを読み始めたときより、働くということが少し身近に感じられていたら嬉しいです。
■ 「どう生きたいか」を考えると、働く意味が見えてくる
これまでお伝えしたように働くことを捉え直してみると、進路や職業は"生き方の延長線"にあります。「どんなふうに働くか」を考える前に、
「どんなふうに生きたいか」「どんな人でありたいか」を考えてみると、
不思議と進路選びのヒントが見えてくるかもしれません。
たとえば、「人の話を聞くのが好き」なら、人の力になる仕事はたくさんあります。
看護師、カウンセラー、接客、教育...。方法はさまざまあります。
(ちなみに私は学生時代から何故か友達の相談に乗ることが多く、そうした経験もあり、このキャリアコンサルタントという仕事をしています。)
"肩書き"で見ていくと話が大きく感じて何をやりたいのか分からなくなりがちですが、自分がどんなふうに生きたいのか、暮らしたいのかを見つめることで、
働くということが身近なことに感じられて、進路選択が近づくのではないでしょうか。
そしてこれまで「人への貢献」の話をしてきましたが、人は自分がある程度満たされた状態でないと"働く"を続けるのが難しいと思います。
そのため、"自分も心地よく動ける"という視点も持っておきたいですね。
ここまでお話ししたように「どんなふうに生きていきたいか」それを感じてみることが、あなたらしい進路やキャリアにつながっていきます。
今この瞬間の「これがいいな」「こうしてみたいな」という小さな直感が、
きっとあなたの未来の「仕事」の種になっていくはずです。
☆小さな一歩が未来を変える。今、前に進むための質問
「"働く"を通して、あなたは、どんな人とどんなふうに生きていきたいですか?」
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- プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)
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U-Discovery代表。国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。
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- http://ayaka-nakamura.com/