category:進路選択親子で読みたい
進学NEWS
2025.07.01

自分に自信がないんです。どうしたら自信が持てますか?

人間関係や勉強、スポーツなどの特定の何かの分野に対して、もしくはいつも漠然と、「自分には自信がない・・・」そんなふうに感じたことはありませんか?

特に進路選択をするときは「漠然と自分に自信がない」と思っていると、自分の選択にも自信が持てず、なんだか落ち着かない気持ちになるとこともありますよね。

今回はそんな自分に自信を持つことについてお伝えしていきます。

自信はなくてもいいのかもしれない

昨今、「自己肯定感が低い」といった言葉を耳にする機会も増えました。

巷で言われている「自己肯定感」は、何かができるから自分を肯定する、という意味で使われていることが多いように思います。しかし、本来の自己肯定感は「何もできなくても、自分は存在していていい」と感じられる感覚のことです。
私自身も、人は何も特別なことができなくても存在していていいのだと思っています。

でも、日々の学校生活やSNSを見ながら、テストの点数、部活の成果、交友・恋愛関係など、周りとの比較をしやすい環境にいると...、
どうしても「何かができないと自分は存在してはダメな気がする」という感覚に陥りやすいですよね。

だから、「もっと頑張って、できるようになって、自信を持たなきゃ」と焦ったりしてしまうのも、無理はありません。

ただ、私は、必ずしも自信ってなくてもいいんじゃないかな、なくても大丈夫、と思っています。

「自信がないとダメだ」と思って自分を責めてしまうと、それはそれで苦しくなってしまって、あなたが持っている本来の力を発揮しづらくなってしまうと思います。

「今、自分に自信がないんだな」と、まずはそうやって自分を見つめて、認めることが大切だと思っています。

できていないことより、できていることに目を向ける

それでも、やっぱり「自分なんか...」と自信がなくなってしまい、苦しくなるときってありますよね。

きっとこのコラムを読まれている謙虚なみなさんは、自分のできているところより、できていないことに目を向ける癖がついているのではないでしょうか。


なので、そんなときは、少しだけ視点を変えて、
「できていないこと」より、「できていること」に目を向けてみるというのをやってみてください。


たとえば...
・毎朝ちゃんと起きて学校に行っている
・提出物を締切に間に合わせた
・友達の話をちゃんと聞いてあげた
・今日、ひとつでも笑えた
・前は解けなかった問題が解けた
・前より走るタイムが早くなった

どれも、大きな成果ではないと思われるかもかもしれませんね。
でも、このできていることは紛れもない事実ですし、そうした小さなできていることの積み重ねが、あなたを自分の望む方向へと連れていってくれます。

少しずつでも「できていること」にフォーカスする癖をつけていくと、気づいたときには、以前よりも自信がないことが気にならなくなっている自分に気づくかもしれません。

一つ一つ自分との約束を守ることが、やがて自信につながっていく

そして、できていることに目を向けながら、
自分がやりたいこと、がんばりたいことに向かって、できることから一つずつ、やっていってほしいと思います。

・いつもより少し早く寝て早く起きる
・気になっていた場所に行ってみる
・いつか読もうと思って積んでいた本を読む
・参考書を毎日◯ページ進める
・わからないことがあったら勇気を出して質問してみる
・後回しにしていた進路についての調べ物をする

など、難しいことより、すぐできる簡単なことがいいですね。

自信って、そういった小さな行動、いわば自分との約束を、
「一歩ずつやってみた」「少しできた」「またやってみた」
そんな"積み重ね"の先に、気づいたら育っていたりするものです。

だから焦らなくて大丈夫。


今はまだ「自信がない」と感じていても、自分との約束を守っていった先に、ふと気づいたときには、自分の中に自信が生まれていたりするものです。

そして何より、自信がないときの自分をまるごと受け止めた経験は、
将来、誰かの「自信がない気持ち」にもやさしく寄り添える力になります。

☆小さな一歩が未来を変える。今、前に進むための質問

「今日を振り返って、どんな小さな"できていること"がありましたか?」
そして、
そんな自分を少しだけでもいいので認めてあげてみてください。

[中村 文香]
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プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)

U-Discovery代表。国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。

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