category:進路選択親子で読みたい
進学NEWS
2025.05.01

文理選択、将来の仕事に困らなさそうな方がいい?友達と別になるのは不安...いろいろ考えて悩んでしまいます。

進路選択をするなかで皆さんにとっては初めての大きな選択となる文理選択。

正直まだ今後の進路についてそこまでイメージがついていないなか、どちらかを選ぶのは難しいですよね...。


今回はそんな悩ましい文理選択について、みなさんが悩みやすそうなポイント、意識したいことについてお伝えしていきます。


将来の仕事に繋がりそうな方を選んだ方がいい?

例えば、理系の工学系や医療系は「手に職がついて将来安定する」から選ぶといい、といった意見を耳にすることがあります。


確かに、これらの分野は専門性が高く、需要もあるため安定した職業に就くことができる可能性が今のところ高いと言えます。


しかし、いくら将来にとって良さそうな選択肢とはいえ、もしその分野(理系であれば、数学や化学、生物、物理などの理系科目)に強い苦手意識がある場合、将来の安定だけを理由に選択するのは考えもの。


大学では4年間、薬学部や大学院進学を考えると6年以上、その分野の学問に取り組むことになります。苦手なことに長期間向き合うのは大きな負担となり得ます。


最終的にその道に進んで努力を続けるのは自分自身です。

将来の職業や安定性も大切ですが、自分が納得し、興味を持てる分野を選ぶことがシンプルに大切だと思います。

(もちろん、あえて苦手だけれども将来その学問を使う仕事に挑戦したい!という心意気があるのであればチャレンジしてみるのもいいと思います。)


ちなみに、そういう私自身、「将来手に職がつく」という理由で理系を選んだのですが、入学後に専門科目に興味を持つことができず、苦戦して後悔した経験があります。


だからこそ、シンプルに「自分が興味を持てるか、好きか(嫌いではないか)」という視点を大切にしてもらえたらと思います。


友達と別の道を選ぶのが不安...

また、自分だけ理系or文系などこれまで同じ道を歩んできた友人と、自分だけ異なる選択をするという場合に不安を感じてしまうこともあるかもしれません。

どこかで「友達と同じ選択肢にしておいたほうが安心かも」と思う人もいるかもしれません。


けれど、高校卒業後はだんだんとそれぞれが自分の道に向かって歩んでいくものです。


進んだ先では、新しい出会いや世界が待っていますし、本当に大切な人とは道が分かれてもつながっていられるもの。


文系理系で分かれても、お互い誘いあったり、共通の趣味があったり、そのままつながり続けることもできますし、お互いに違う分野で頑張ることで、新たな刺激を与え合えることもあるかもしれません。


特に、繊細で優しい人は無意識に周囲の期待ややりたいことに影響をうけやすく、自分のやりたいことが分からなくなりがちな傾向があると思います。


自分はそういう傾向があるかも、と思ったら一度一人の時間をとって、自分が今何を考えているか、何を求めているのか、ノートに書き出してみるなど、自分と向き合ってあげる時間をとることをおすすめします。


決めるのは慣れというところもある

改めてですが、現時点で将来のことが明確になっている方は少数派だと思います。そんななか進路を決めるのはただでさえ難しいですし、AIが驚くべきスピードで進化を遂げている昨今、この先どんな仕事やスキルが求められるかわからず、未来がますます不確かなものに感じられるかもしれません。


だからこそ、状況が不確かななかで「自分で決めることに慣れていく」という視点も大切かもしれません。


決めるのが苦手というのは性格だと思われているかもしれませんが、ある種の癖のようなもので、慣れるとできるようになってきます。

進路選択、特に初めのこの文理選択はその練習のひとつとしてぜひトライしてみてください。


とはいえ、「自分で決めろと言われても難しい、怖い...」と思う人もいると思います。かくいう私も高校生のときその一人でした。


そんなときはまず、今まで自分で決めたことを思い出してみてください。

例えば、部活や趣味、選んだ高校、日々何を食べるか、どんな小さなことでもOKなので「自分で決めてよかったな」と思える経験はないでしょうか。

ちょっと大きなステップになりますが、今回はその続きです。


そして、これから文理それぞれの特徴や自分の興味のある学部を調べていくことになると思いますが、いろいろ調べたうえで、それでも分からなくなったら、理系に進んだ未来・文系に進んだ未来を想像してみて、心が軽くなるほう、ワクワクする方を選ぶという直感を使うやり方も意外と最後は頼りになります。


また、実際のキャンパスを見たり、学生さんの話を聞いたりした方がイメージをしやすいと思うので、気になる大学のオープンキャンパスに行ってみるのもいいでしょう。


できるところから始めてみましょう。このプロセスは将来きっと皆さんの糧になります。


☆小さな一歩が未来を変える。今前に進むための質問。

・ちょっとでも気になる学部や仕事はありますか?調べてみましょう!

・調べた結果それぞれの未来を想像してどちらがワクワクしますか?

[中村 文香]
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プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)

U-Discovery代表。国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。

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