category:進路選択親子で読みたい
進学NEWS
2025.04.01

進路選択に学校で受けた適性診断やMBTIなどの性格診断は活かせますか?

進路選択の一環で、学校で適性のある学部や適職診断を受けたり、SNSでよく見かけるMBTI診断を受けてみたりと、みなさんも1度はなんらかの適性診断や性格診断を受けられたことがあるのではないでしょうか。


今回はそんな、せっかく受けた診断ツールを進路選択にどのように活かせるのか、また使う場合の注意点などをお伝えしていきたいと思います。


やりたいことが分からないときにきっかけを作ってくれる診断ツール

かなりの選択肢がある進路選択。色々な可能性があるなかで、何がやりたいことなのかがわからないと、何から始めていいか困惑してしまいますよね。


そんなときに診断ツールは、ゲーム感覚で取り組める気軽さもありますし、適職や適した進路のアイデアを示してくれて、進路選択をはじめるきっかけを作ってくれる便利なものだと思います。


そのためこういった診断ツールが好きな方は、気になるものをいくつか受けてみて、目に留まったアドバイスを取り入れることから始めてみるのもいいでしょう。


こちらのサイトでも、進路選択の際に一番身近にいる大人である保護者の方と一緒に使える診断ツールがあるのでよかったら使ってみてください。
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信じすぎると振り回される!?診断ツールのリスク

便利な診断ツールですが、診断結果を信じすぎてしまうと、振り回されてしまうことも。


例えば、
・適している職業が少なかったり特殊だったりして「自分に向いている仕事ってこの世にあんまりないの?」と不安になってしまう。
・自分の興味がある分野と違う適性学部や適職が出てきてしまい「向いていないのかな?」と心配になる。
・MBTIなどの性格診断で、自分の診断結果がネット上で「社会不適合」など、ネガティブな評価を受けており落ち込む。
・自分の結果を見て「自分は〇〇の性格だから〜ができなくてもしょうがない」とチャレンジすることを諦めてしまう。
・友人の性格診断結果を見て、「この人は〇〇の性格だから」と決めつけてかかる。
などなど。


特にネット上の無料診断ツールはエンタメ性を重視していて信憑性の面では怪しいものも多いです。
診断ツールはあらかじめ用意されたいくつかの結果のうちのどれかにあてはまるように単純な分類がされますが、そもそも人間は複雑な存在なので診断だけでわかりきることはないですし、自分で選択肢を選ぶものも多いので自己認知がずれていたり、その日のコンディションが悪かったりすると結果が変わってしまうものも少なくありません。


診断ツールに限らず、分かりやすいものというのは便利な反面、何か大切なものを見落としてしまうことも少なくありません。


診断ツールに振り回されず、便利なツールとしてうまく付き合うために、結果は参考程度にとどめて、自分自身やその人自身のことをきちんと観察するという姿勢は忘れないようにしたいですね。


結果に対して自分がどう感じるか、そこからヒントを得て行動を

そして、診断ツールにありがちなのがやって満足してしまうこと。
そのときは、「面白い!」とか「へぇそうなんだ!」と思うものの、そのままで終わってしまうことも少なくありません。


診断ツールを進路選択に活かす際に大事なのは、診断結果のアドバイスの中からしっくりきたものや興味を持ったものをピックアップして次の行動につなげることです。


例えば、
・適性学部の中で興味を持った学部について学べる大学を調べて、特に気になった大学はオープンキャンパスに行ってみる。
・適職の中で気になった職業について調べる。その職業に就いている人のインタビュー記事を読む。職場体験ができるようなイベント等があれば行ってみる。その職業のなり方を調べる。そのために必要な学びがあれば、それを学べる専門学校や大学を調べる。
・自分の診断結果の中に気になる学部や職業がなければ、他の結果のところも見てみて気になる学部や職業がないか探してみる。
・性格診断の「向いている働く環境」のアドバイスを参考に、そういった環境でできる職業を調べる。


といった感じで、診断結果をもとに、どんどん調べて、できることであればオープンキャンパスなどの体験をしていきましょう。


さらに、進路選択では、このように何かを行動したあとに、やりっぱなしにせずに、自分にとってしっくりくるものや興味を持ったものをピックアップして次の行動につなげていくことが大切です。


そのサイクルを繰り返すと、最終的に今の自分が納得する進路選択に辿り着きやすくなります。


今回の診断ツールで得たことをきっかけに、進路選択を前に進めていきましょう!


☆小さな一歩が未来を変える。今前に進むための質問。

「診断結果を見て、気になったこと、興味を持ったことは何ですか?」
ピックアップして調べてみましょう!

[中村 文香]
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プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)

U-Discovery代表。国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。

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