category:進路選択親子で読みたい
進学NEWS
2025.03.03

新生活に期待と不安があります。充実した日々を送るためにどんなことを心がけるといいでしょうか。

春、進学や人によっては引越しをされる方もいらっしゃると思いますが、新たな環境に皆さんは踏み出されようとしていますね。

これから始まる新生活に、期待と不安で胸がいっぱいになっている方も少なくないのではないでしょうか。

今回は、これから新生活を始める皆さんが、充実した日々を過ごし、ご自身らしいキャリアを歩んでいくためのヒントをお伝えしていきます。


小さなことでも興味のあることをやってみよう

まず、新生活では、高校生の頃に比べて、行動範囲がぐっと広がることを感じる方も多いと思います。

今は、実際に体験しなくても色々なことを調べることができる時代ですが、実際に身を持って体験してみると、気づくことがたくさんあります。

YouTuberも職業として当たり前になりつつありますが、そのように「好きなことを仕事にしよう」という流れがある昨今。

学生さんとお話をしていると、「やりたいことがわかりません」というお話をよく耳にします。

当然のことのように思えるかもしれませんが、この「やりたいこと」というのは、そのこと自体を知らないとやりたいと言えません。

ですが、意外とまだやりたいことを知らない、出会っていないだけなのに、「やりたいことがわからない」と悶々と悩んでいらっしゃる方が少なくないのです。

一歩踏み出すことは勇気がいることが多いです。
そのため、どんな小さなことでもいいので、興味を持ったことを体験してみることをおすすめします。

もしも、やってみて自分に合わないと感じたとしても、それは失敗ではありません。その経験を通じて、自分に合わないことがわかった、それ自体が一つの成果なのです。

多くの社会人の方のキャリアの話を聞いていると、10代、20代の「スポンジのような吸収力」がある時期の経験が、その後のキャリアの大切な養分になっているということがよくあります。

興味のある分野を勉強するのはもちろん、
部活動やサークル活動をしたり、
ボランティアやアルバイト、インターンをやってみたり、
(興味のある方は事業を自分で立ち上げるのもいいですね!)
映画を観たり本を読んだりして色々なことを感じたり、
旅行に行って知らない文化に触れたり、
興味を持ったことはなるべく現地に足を運んで体験してみてください。

きっと楽しいものも、ときにはちょっと苦い経験も、その経験一つ一つが皆さんの糧になっていくはずです。


色々な世界と触れ合おう

そして、色々活動をしているなかで、可能な限り、色々な人と対話をしてみてもらいたいと思います。

高校生の皆さんは、学校のテストや受験勉強を経て、自分でも気づかないうちに偏差値などのわかりやすい「一つのものさし」で世界を見る癖がついているかもしれません。

しかし、学校内はもちろん、その外に出て色々な背景を持った方と対話(社会人や外国人など世代や文化の違う方と対話をするのもいいですね)をすることで、自分の中の世界を見る「ものさし」が多様になってくることを感じると思います。

例えばもしも、進学先の学校のコミュニティが自分の肌に合わないと感じたとしても、外に出て色々な人とお話をしてみると、分かり合える人がいるかもしれません。

人間、一つのものさししかない、一つの居場所しかない、一つの道しかない、と思うと何かあった時に行き詰まり感を覚えてしまうようです。

ですが、自分のなかに多様なものさし、居場所、道があると、生きるのが楽に感じられる方もいるでしょうし、視野が広がって今までは見えなかった世界が見える方もいるでしょう。

そのことが、みなさんのキャリアの可能性を広げてくれると思います。

自分が自分と共にいること

ここまで外に視点を向けるお話をしてきましたが、バランスも大切です。

価値観の転換を感じるニュースや国際情勢の変化が続く昨今。
こういったマクロな変化や、新しい環境に行くと日常の学業や人間関係など心が揺れるようなミクロな変化もたくさん感じられると思います。

そういったなかで、外だけに目を向けていると目まぐるしい変化に、疲れてしまったり、不安になってしまったりと振り回されてしまうことになりかねません。

そんな環境のなかで大切にしてほしいのは、
「自分は何を感じている?どうしたい?」と自分に問いかけることです。


色々な情報を集めたり、色々な人に相談したりするのはキャリアを築いていくなかで大切なことですが、最後にあなたの行く先、方向性を決めるのは、あなた自身です。

こういった問いかけは、何かを決めるときだけでなく、日々意識されることをおすすめします。

様々な方と対話をするなかで、人が孤独感や疲弊感を感じるときは、外に目が向きすぎて、自分との対話を忘れていることが多いように思います。

自分は常に自分と共にいる相棒のような存在です。

自分が今どう感じているか、何をしたいか、その思いを大切にしながら、
これから広い世界で軽やかに泳いでいってもらえたら嬉しいです。

◎今、前に進むための問いかけ!

あなたは今どんなことを感じていますか?新生活でどんなことをしてみたいと思っていますか?
紙に書き出してみましょう!

[中村 文香]
ayaka_nakamura.jpg
プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)

U-Discovery代表。国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。

インフォメーション