category:進路選択親子で読みたい
進学NEWS
2024.12.02

第二・第三志望...併願校の決め方

第一志望校を目指して勉強を頑張っているなかで、併願校を考えることはついつい後回しにしがちなのではないでしょうか。


ただ、併願校が決まっていないと、モヤモヤもしそうなもの。


万が一に備えて、安心して受験に臨むためにも併願校について自分が納得できる選択をしておくことは大切だと思います。


今回は、そんな併願校選びについてどのように向き合っていけばいいのか、お話したいと思います。


もしものときのことは、あまり考えたくないけれど

今は本当に「第一志望合格」を目指して、日々注力していると思いますので、それ以外の選択肢のことは正直考えたくないという方もいらっしゃるのが正直なところではないかと思います。


しかし、万が一のことは誰しも起こる可能性がありますし、もしそうなってしまった場合に「あまり考えることができていない......」と焦ってしまったり、失望感からうっかり投げやりな選択をしてしまいかねません。


また、「もしものことがあってもこうすればいい」という選択肢が決まっていると余計なことを考えなくていいですし、「絶対に第一志望に受からなくては・・・」とプレッシャーに押しつぶされそうになるよりも、自然と肩の力が抜けて本来の力を発揮できるということもあります。


さらに、これからお話するように併願校選びは「自分にとって大切なことは何か」を再確認する機会でもあると思っています。


自分にとって大切なものを再確認。近づけるような選択を

併願校を選ぶ際には、ついつい単に「入れるかどうか」ということに目が向きがちかもしれません。
ですが、進路選択をしている中で大切にしてきた「自分が学びたいと思っていた内容」や、「自分にとって大事にしたい環境があるかどうか」を重視してみてください。


例えば、
「将来の就きたい仕事につながる学びができるか」
「通学のしやすさはどうか」
「高めあえる、共感できる仲間に出会えそうか」
「自分の興味に合った課外活動があるか」
「オープンキャンパスでの良かった点、気になった点」
「大学のWEBページの情報や、先輩の声などの情報で良かった点、気になった点」

など、細かな点でも良いので、自分にとって大切なことをもう一度並べてみて、希望に合う学校を探してみましょう。


このとき、頭の中だけで考えてしまうとグルグルしてしまうので、何かノートなどの紙に書き出すことをおすすめします。
(この方法は受験勉強で何かに迷ったとき、冷静に整理するのにもおすすめです!)


書くこと自体で心が落ち着いてきますし、書いた文字を改めて見直すことで、冷静に何を重視するべきなのかが浮かび上がってくることも多いです。


ある程度自分の考えをまとめたら、先生や保護者の方など、よくあなたの話を尊重して聴いてくれそうな大人に相談してみるのもいいと思います。


受験合格は大切なゴールでもありますが、みなさんのキャリアの中の一つのプロセスでもあります。


万が一、第一志望の学校への入学が叶わなかったとしても、あなたの目指す道が閉ざされる訳ではありません。
どの学校であっても、意欲と工夫次第で自分の可能性を広げられます。


進んだ道で、自分の大切なことをなるべく実現できるように併願校を選んでいきましょう。


自分の進みたい未来に向かって意識を向け直す機会に

このように併願校を選んでいくことは、日々目の前の受験勉強に向かっていると忘れてしまいがちな、自分が本当に望んでいる未来について再確認する良い機会にもなると思います。


受験生とお話している中で、
「実際に第二・第三志望を選んでみてその選択肢も悪くはないけど、見比べるとやっぱり、前から興味がある分野について強い第一希望のところに行きたいって気持ちが強くなりました。」
と、自分にとって大切なことを再確認したことで、受験勉強にさらに身が入っていた方もいらっしゃいました。


併願校の検討は、受験がどういった結果であれ、あなたが望む未来を再確認し、そこに向かっての可能性を高める作戦を考えるための大切な時間です。


忙しい受験勉強の中なので、あまり膨大な時間をかける必要はないと思いますが、一度立ち止まって、ご自身の望む未来、そしてそこに向かうための様々な選択肢について向き合ってみてくださいね。


そして、「併願校をどうしよう...」という、決まっていないとモヤモヤしそうな項目が決まったら、また目の前の受験勉強を一歩一歩前に進めていきましょう!


◎今、前に進むための問いかけ!

あらためてあなたが進路選択において大切にしていた条件はなんですか?
学びたい内容でしょうか?大学の環境でしょうか?立地などの物理的な条件でしょうか?
一度ノートなどの紙に書き出してみて、併願校を絞るための条件として「自分にとって大切なこと」をリストアップしましょう。

[中村 文香]
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プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)

U-Discovery代表。国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。

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