category:進路選択親子で読みたい
進学NEWS
2024.06.03

進路の悩み、誰にどうやって相談したらいいのでしょうか?

進路について悩んでいるとき、人に相談することってとっても大切です。


でも意外と真面目で責任感が強い方ほど「自分で決めなきゃ」と相談する選択肢自体が出てこないこともありますし、相談しようと思っても「一人で決められないなんて自分は弱い」とか「どうやって相談していいか分からない」と思ったりして、踏みとどまってしまうことも少なくないかもしれません。
今回はそんな進路相談についての考え方やポイントをお伝えしていきます。


■相談するのは弱いことじゃない。社会に出てからも大切なスキル。

相談することってどちらかというと「自分で決められない、意志が弱い人がすること」とか「迷惑なんじゃないか」とかネガティブなイメージをお持ちの方が少なくないのではないでしょうか。


それは、私は誤解だと思っています。
というのも、「相談」は社会に出てからも必要な大切なスキルの一つといっても過言ではないからです。


人間一人の知識、経験、視点は限界がありますし、人の協力があるとより良いものを作っていくことができます。


さらに、相談されると人は「頼られている」と嬉しく感じる方も多いですし、相談をきっかけに関係を深めていくこともよくあることです。


実際、私が知っている社会に出てイキイキと活躍されている方は、相談がものすごく上手いことが多いです。結果、仲間を増やすことができ、社会に貢献できる仕事ができています。


そのため、まずは今後の練習という意味でもどんどん相談することにトライしていきましょう。


■話しやすい人から相談してみよう。話はまとまっていなくて大丈夫。

ただ、相談する人は誰でもいいわけではありません。


  • ・自分の考えを押し付けてくる人
  • ・自分の話ばかりしてしまって全く人の話を聞かない人
  • ・気分のムラがあって不安定な人

は、相談をしても一方的にその人の考えを聞かされるだけであなたの考えを深めたり、整理したりするきっかけにはなりにくそうなのでおすすめできません。


おすすめなのは、


  • ・話をじっくり聴いてくれる人
  • ・経験豊富で視野の広い人
  • ・気分が安定していて一緒にいると安心できる人

です。こういった人と話すと、気持ちが落ち着いたり、自分では考えられなかったアイディアが出てきたりして、進路選択が前に進むはずです。


保護者の方、先生、お友達、親戚の方など思い当たる人のうち、まずは話しやすい人からでかまいませんので相談をしてみましょう。身近に思いあたる人がいない場合は、行政やNPO、民間企業で高校生向けの進路相談サービスもありますので利用してみても良いでしょう。


また、相談するとき「話がまとまっていなくてはいけない」と考える人もいらっしゃるのですが、そもそも話がまとめられていたら悩んでもいないはずなので、そこは気にしなくて大丈夫です。


ただ、自分が伝えたいことをできるだけ伝えるために、余裕があればあらかじめ紙などに、


  • ・自分の正直な声(興味のある分野、大切にしたいことなど)
  • ・気になること(お金・物理的距離などの現実問題、誰かの期待など)
  • ・その他思いつくもの

このようなことを書いてみると、自分の中にあるものを客観的に出すことができて、落ち着いて相談することができます。


特に、保護者の方とお話しするときは「お金・物理的距離などの現実問題」を協力してもらう必要が出てくる場合が多いと思います。自分の正直な声を伝えた上で「お金・物理的距離などの現実問題」についても擦り合わせておくことが大切です。


さらに、いきなり人に相談することをハードルが高く感じる場合は、AIを活用したり、WEB検索で似たような悩みを持った人や、同じ悩みを抱いていた先輩専門学校生や大学生、若手社会人の方がどのように進路選択をしたかのストーリーを見てみたりすると参考になることもあると思います。


■色々アドバイスがあるけど、大切なのは自分がどう感じるか。

最後に意識していただきたいのが「大切なのは自分がどう感じるか」です。


相談をすると、相手はそれぞれの立場から良かれと思って、いろいろな視点やアドバイスをくれると思います。


しかし、この進路を最終的に決めるのは自分自身。そのため、あくまで他の人の意見は参考程度にとどめて、「自分にとってその意見は良さそう?違いそう?」という感覚を大切にしていただきたいです。


この感覚も頭の中で考えるだけでは分からなくなることが多いので、紙などにできれば手書きで、キレイに書こうとせずに書き殴るくらいの感覚で出していくと自分の本音を整理しやすいのでおすすめです。


「相談」を味方につけて、進路選択を前に進めていきましょう!


◎今、前に進むための問いかけ!

このコラムを読んで、思い浮かぶ人(場合によってはAI、WEB検索、サービス)は誰(何)ですか?1週間以内に思い浮かんだ人に相談したり、思い浮かんだ方法を試したりしてみましょう!

[中村 文香]
ayaka_nakamura.jpg
プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)

U-Discovery代表。国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。

インフォメーション