category:進路選択親子で読みたい
進学NEWS
2024.03.01

本当にこの進路選択でよかったのか、不安やモヤモヤを感じています。

まずは、受験お疲れ様でした!
様々なプレッシャーや、葛藤と戦ってここまで来られたのだと思います。


一方で「進路はもう決まったけど、本当にこれで良かったのかな・・・」と頭の中でぐるぐる考えてモヤモヤしてしまっている。そんな方もいらっしゃるのではないかと思います。


今回はそんな苦しいモヤモヤにどう対処していったらいいか一緒に考えてみましょう。


■何にモヤモヤしてる?

最初に、こういう状況でモヤモヤしていると、「今更だし」とか「こんなことで悩むなんて」とか自分を責めてしまいませんか?


ただ、モヤモヤって封じ込めようとすると余計大きくなるものなのです。


自分が悩んでいることは事実なので、その気持ちをまずは受け止めて外に出してあげましょう。


できれば、身近なちゃんと話を聞いてくれそうな方にお話しして、声に出してみると心が落ち着いてくることが多いです。
人に聞いてもらうのが難しい場合はノートに書き出す、でも大丈夫です。


悩みは漠然としていると、どんどん大きくなっていってしまうのですが、外に出して見える形にしていくとスッキリしていく性質があります。


人に話したり、ノートに書き出したりして外に出すと、「なんだ、こんなことで悩んでいたのかぁ」などと悩んでいたことが小さく見えたり、「これは入学してから考えても遅くないかも」などと対処法が見えてきたりします。


対処法が見えてきたことについては、小さなことからでもいいので取り組み始めると不安がさらに解消されていくでしょう。


■頭は怖がり。体験してみないと分からないこともやっぱり多い。

次に、落ち着いて今までを振り返ってみてください。
これまで何かを始めるとき(高校入学、部活、クラブ、外出、趣味などなんでもいいです)事前に考えていた不安やモヤモヤは、実際に始めてみると起こらなかった、ということは少なくないのではないでしょうか。


「案ずるより産むが易し」ということわざはよく言ったもので、頭は自分を守るために実際よりもネガティブなことを考える性質があるようです。


さらに、これだけ情報網が発達した現在ですが、いくら事前情報を得たり、シミュレーションをしたりしても、やはり実際に身体をその場に置いて体験してみないと分からないことも多いです。


まして、進路やキャリアは一人一人価値観が違うため「正解」がなく、実際に体験してみて、その体験を「自分にとっていいのか?よくないのか?」と内省をしないと分からないものです。


そのため、これまでを振り返ってみて「自分は考え過ぎる傾向があるかな」と感じた方は、「ここまできたら、やってみないと分からないよね」と、いっそ開き直ってみるのも悪くないと思います。


■やってみたあと転向はいくらでもできる

先ほどお伝えしたように、進路・キャリアに関することは「やってみないと分からない」ことが多いので、「やってみたら、思っていたのと違った」ということも当然起こります。


私自身、大学の工学部に入学し、社会人になって研究職をしていましたが「やってみて違った」となり、今はキャリア支援の仕事に転向しています。


さらに、この仕事で様々な方にお会いしている中でも、大学の中で転部したり、大学や専門学校に入り直したりする方もいらっしゃいますし(学生のうちに入り直す方もいれば、社会人になってから入り直す方も)、就職で違う分野を選ぶ方、転職で違う分野を選ぶ方なども沢山いらっしゃって、今の時代は以前よりさらにキャリアの転向をしやすくなっているように感じています。


さらに、キャリアを転向したとしても、これまでの経験は無駄になるわけではなく、融合されていきます。


例えば、理学部から研究職に就かずにコンサルティング会社に就職した方は、理系出身ならではの論理的思考が仕事で役に立ったとおっしゃっていましたし、看護師を経験してから医療系IT企業の営業職に転職した方は、医療現場の経験があるからこそお客様のことを理解して提案ができるとおっしゃっていました。


進路選択は高校生の皆さんにとっては大きな選択だと思いますが、それが人生の全てではありません。


社会に出ると、これまで想像もしなかったけれど、本当に色々な道があるのだなと気付かされます。
まずは色々体験をしてみて、皆さんなりの道を創造していかれるよう応援しています。

[中村 文香]
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プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)

U-Discovery代表。国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。

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