自分だけ進路が決まっていなくて焦っています。
推薦入試などで周囲の進路が徐々に決まってくる時期。自分の進路が決まっていないのに仲の良い友達が推薦入試を受けていたり、夢があってそこに向けて邁進していたり、計画的に受験勉強を進めていたりすると、焦ってしまうことがあると思います。
そんなときどうやって自分の進路について考え、向き合って、決めていったらいいのか、ヒントをお伝えしたいと思います。
■「それは焦るよね・・・」
そんな焦ってしまうような状況のときは、頭の中で「焦っちゃダメだ、焦っちゃダメだ」など自分に言い聞かせたりすることが多いのではないでしょうか。ですが、そうすると余計に焦ってしまうことも。
ただでさえ進路という大切な選択を前にして、周囲のお友達の進路が次々に決まっていくと、客観的に見ても焦ってしまうのはしかたがないのではないでしょうか。
もしも、あなたの気持ちに余裕があって、大切な人が同じ状況にいたら「焦っちゃダメだ」と責めることはせず「それは焦るよね・・・」と共感してあげることが多いですよね。
そういうときは同じように自分にも「それは焦るよね・・・」と言ってあげましょう。
シンプルなことに見えるかもしれませんが、これだけで、すっと心が軽くなるのを感じられる方も少なくないでしょう。
また、これもシンプルな方法かもしれませんが、「身体を動かす」というのも心を落ち着かせるのに役立ちます。
何かの競技をやるということまでしなくていいので、走るのが好きなひとは走ったり、そうでない人は近所を散歩したりするだけでもOKです。(私は運動が苦手なので、考えすぎて悩んでしまったときは軽い散歩をしています)
他にも過去を振り返ってみて、「空を見上げる」「寝る」「お茶を飲む」「ペットと戯れる」など、これをすると自分の心が落ち着くということをしてみてもいいと思います。
■「こっちを選んだとしら」で考えてみる
少し落ち着いてきたら、まずは今考えていることをきれいに書かなくていいので、紙に書き出してみましょう。
人間大体焦っているときというのは、漠然とした「やばい」状況があって、それに対して何をしたらいいのかはっきりと認識できていない状態です。
自分の頭の中にあることを紙に書き出して客観的にみることで、
「あ、これをすればいいのか」とか、
「意外と焦るほどの状況でもないかも」とか、
状況をはっきりと理解できて、また一段心が楽になる方もいると思います。
そして次に、前に進むためにおすすめの方法は、思いつく進路の選択肢それぞれについて、仮に「こっちを選んだとしたら」と決めた前提で「どのようになりそうか」「今何をすればいいのか」を考えて、また紙に書き出してみることです。
(その先を考えるときに、今時点で収集した情報がうまく整理できていないなと感じる場合は、こちらのコラムを参考にしてみてください。やりたいことが多すぎて進路を一つに絞り込めません。)
そうすると「どちらにしよう・・・」と悩んでいたときは途中で止まってしまっていた思考が動きだして、さらに具体的にそれぞれの選択肢を選んだ場合のことが見えてくると思います。
こうして色々見えてきたら、大切なのは「結局はやってみなければ分からない」という考えです。
こんなことを言うと元も子もないと感じられるかもしれませんが、どんなに調べたり想像したりしたところで、実際に自分がその進路に進んでみなければ、本当にどうなるのかは正直誰にも分かりませんし、正解もありません。
最後は、思い切って決めることも大切です。
真面目な方ほど、「最初に決めたものが変えられない」「決めたものは必達!」と思ってしまい、「決められない」ということが起こるようです。
今の自分にしっくりくる選択を仮でいいので決めてみましょう。
■今に集中する
仮でもいいので進路を決めたあとは、当たり前に聞こえるかもしれませんが、自分が今やるべきことのみに集中していきましょう。
焦ってしまうときというのは、先ほどお伝えしたように状況が漠然としか理解できていないときと「今の自分以上の実力をいきなり出そうとするとき」です。
良くも悪くも人は自分が積み上げてきたものでできています。
ときおりラッキーな出来事があって実力以上のことができることもありますが、それも焦っていてはなかなか起こりません。
焦る気持ちは認めつつも、今の自分ができることに集中して、前に進んでいく。
そういう、積み重ねの日々があなたを納得できる進路に導いてくれるはずです。
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- プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)
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U-Discovery代表。国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。
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