category:進路選択親子で読みたい
進学NEWS
2023.10.01

やりたいことが多すぎて進路を一つに絞り込めません。

あれもこれも興味のあることがたくさんある。好奇心旺盛で私は素敵なことのように思います。しかし、一旦どれが一つを選ばなくてはいけないのが進路選択。ご自身にとっては選ぶのが難しく、悩ましいことだと思います。


今回は、やりたいことが多すぎて一つに絞れないとき、どのように決断をしていったらいいかヒントをお伝えできればと思います。


■立ち止まって自分にとって何が大切か問いかけてみよう

まず、やりたいことが多すぎる方の傾向として多いのが「行動」はたくさんしているけれど「内省」はあまりしていないということです。
(内省=起こったことを振り返って自分自身を見つめ直すこと)


興味のある進路について、自分でネットなどで調べたり、人に聞いてみたり、オープンキャンパスなどのイベントに行ってみたりと、色々「行動」はしてみたけれど、情報が集まりすぎてよく分からなくなっているという状態です。


ぜひ一度立ち止まって、今の自分にとって何が大切か、問いかけてみましょう。


進路選択には正解がなく自分にとってどうかということが重要です。そのため情報を集めたあとは自分の価値観に落とし込んで整理をしないと決められないのです。


これまで調べた進路について、自分にとって良いポイントと、良くない(気になる)ポイントに分けて紙などに自分の手で書き出してみてください。(PCやスマホに入力してもいいのですが、手で書くとより感覚が刺激されるのでおすすめです)


例)選択肢①:◯○大学の商学部について
●良いポイント
・オープンキャンパスで聞いた内容がとても興味深くてさらに深く学びたい!
・興味があるマーケティングが学べる
・留学のサポートも充実している

●気になるポイント
・偏差値が高すぎる
・学費が高い
・大学の雰囲気が合わないかも
・まだ実際なにをやるのかイメージがついていないかも


といった感じで、同様に候補になっている他の進路についてもどんどん出していきます。全て書き切ったら、一度全体を眺めてみてください。同じ「やりたい」でも強弱があることに気付いたり、気になるポイントでかなり引っかかるものがあったり、もう少し調べたら分かるかもしれないことなど、色々気付くことがこの時点で出てくるかたもいらっしゃると思います。


その場合は、気付いた点についてさらに紙などに書き出して、次にする行動を出していきましょう。

例)

・進路の候補①~⑦について考えてみたら、①と④と⑦について考えているときにテンションが上がった。

→①と④と⑦について絞ってみよう。


・意外と偏差値が高いことにビビっているのかも。

→塾や学校の先生に対策を相談してみよう。


・学費が高い

→親に相談してみよう。


・イメージがまだついていない

→先輩や知り合いなどで実際に行っている人に話を聞けないか親や先生や友達に相談してみよう。


そうしてまた行動して、行動してみた後にまた今回のように整理をする、ということを繰り返せば、今よりも進路を決められるようになってくると思います。


■その後の選択肢が多い進路を選ぶのも手

これまでお伝えした方法で整理をしても、まだ決められない、モヤモヤするということが正直あると思います。


その場合は、その後の選択肢が多い選択をするというのも一つの手です。


高校を卒業すると、また一気に行動範囲が広がり視野も広がるため、そこではじめて方向性が見えてくるという方もいらっしゃいます。


そのため、例えば、様々な学部が融合した「リベラルアーツ」の学部があったり、転部ができたり、入ってから学部を選べたり(かなり数は限られますが)、カリキュラムの自由度の高い大学などを選ぶと、後から選択ができたり、授業や課外活動などでその時の関心に合わせたやりたいことがしやすいのでおすすめかと思います。


逆に、専門学校や医療や教育系の学部など、卒業後に資格が取れるような専門性の高い進路では、その後別の道に行くことも可能ではありますが、専門的な勉強をするために拘束時間が長く、周囲が専門職を目指しているなかでの転向は大変です。

心から惹かれているということでもなければ避けておいた方が無難かもしれません。


他には、文系と理系だと、理系から文系職種に転身は比較的よく聞く話ですが、逆はあまり聞きません。そのため同じくらい惹かれているということであれば、理系を選ぶというのもありだと思います。

ただし、理系は先ほどの話同様、専門的な勉強をするための拘束時間が長く、転身するのも容易ではないので、良く考えたうえで選択しましょう。


■体験を重ねるうちに「やりたいこと」を融合する道が見えてくる

ここまで「絞る」ためのお話をしてきましたが、老若男女様々な方のお話を聞く中で、人間は多面性のある生き物なので、実は何か一つの分野、一つの職業に絞り込むというのは難しいものなのかもしれないと私は思っています。


私の周囲でも、昨今では多くの企業で副業が解禁され始めた影響もあって、ダンサーをしながらエンジニアをしている人、介護職をしながらフォトグラファーをしている人など、複数の道を融合している人も多くなってきました。


今回の進路選択では一旦道を絞るかもしれませんが、自分なりに模索しながら体験を重ねるうちに「やりたいこと」を融合する道が見えてくることも今後はさらに可能になってくると感じています。


今は今の自分にとって大切だと思えるものを重視して進路選択をしつつ、その後の進路については焦らず探求をしていきましょう。

[中村 文香]
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プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)

U-Discovery代表。国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。

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