自分にはどんなことが向いているのかわかりません
進路を考えていると「自分には何が向いているのか分からない」とか「やりたいことが分からない」とか、どうやって進路を選んでいいか分からずモヤモヤしてきてしまうという方は少なくないのではないでしょうか。
今回は、そのようなときにどうやって考えて進んでいけばいいのかヒントをお伝えしたいと思います。
■向いていることはなかなか分からない
まず「向いていること」についてですが、これは実は大人でもなかなか分からない悩ましい問題です。
「向いているな」と実感できるのは、多くは何かを実際やってみたときなので、経験のある大人でも悩むということは、まだ若く経験が少ない高校生の皆さんが「向いていることがわからない」と悩んでしまうのは仕方のないことなのではないでしょうか。
そのため、今の段階では、例えば「数字を見ているだけで頭が痛くなる」とか「色々な人と話すのはストレスでしかない」など、よほど苦手なことを除いては、適性については意識しすぎなくても良いのではないかと私は考えています。
■「ついついやっていること」を掘り下げてみる
ただ、今までの皆さんを振り返ってみれば、進路を選ぶためのヒントは得られます。
それは「ついついやっていること」を探してみることです。
例えば・・・
・ついつい人におせっかいを焼いてしまう
・ついついある特定の分野について調べ物をしてしまう
・ついつい流行をチェックしてしまう
などなど
なぜ「ついついやっていること」が大事かというと「ついついやっていること」は自然に続けることができるので、上達がしやすいためです。
「ついついやっていること」は「向いていること」と言ってもいいと思います。
ただ、厄介なのはついつい無意識でやっていることなので、自分ではなかなか気づけないということです。
そのため「ついついやっていること」に気づくには次のような方法があります。
①時間をたくさん使っていることは何か自分を観察してみる
これは、1日を振り返って何に何時間使ったかスケジュールを書き出してみてもいいですし、日々意識して過ごしてみて「あ、またこれやってる!」というものを観察して見つけてみるのもいいでしょう。
②人に聞いてみる
自分で気づけないので人に聞いてみよう!という方法です。あなたのことをよく知っている保護者の方、先生、お友達に「私が良くやっていること、楽しそうにやっていることって何?」と聞いてみます。きっと自分で気づいていない自分に気づけるはずです。
直接このように聞くのもいいですし、こちらのサイトでは、他己診断(他人に自己を診断してもらう)ツールがありますので、このツールをきっかけにして話してみるのもいいですね。
親子で分析する「他己診断」たこしん!!
こうやって自分の「ついついやっていること」が見えてきたら、できれば、その行動のどんなところが好きなのか、やってしまう理由を掘り下げてみると、さらに自分の「やりたいこと・好きなこと」のキーワードが見えてくるのでオススメです。
例えば・・・
・ついつい人におせっかいを焼いてしまう
→役に立って笑顔になってくれるのが嬉しい。困っている人を放っておけない性分。
・ついついある特定の分野について調べ物をしてしまう
→何かを調べていて発見があるのが好き。何かのメカニズムを知れると嬉しい。
・ついつい流行をチェックしてしまう
→流行をチェックして世の中の流れを読むのが楽しい。次の流行を予測したい。
などといった感じです。
■調べて、体験して自分の反応を感じてみよう!
そうして自分の「ついついやっていること」や「やりたいこと・好きなこと」のキーワードが見えてきたら、その要素が入っている仕事や学問はどのようなものがあるのか探してみましょう!
探す方法として一番手軽なのは「キーワード2つか3つ」+「学問or仕事」という言葉でWEB検索してみます。
例えば、先ほどの例だと、
「人の役に立つ」+「メカニズムを知る」+「流行を予測」+「学問」と検索すると、
社会学、データサイエンス、行動経済学、生物系科学などの学問がヒットします。
他にも、リンクのようなツールを使って、自分の特性や好きなことから候補となりそうな学問や仕事を出してくれるツールがあるのでそういったものを活用するのも良いでしょう。
「親子で『好き』につながる仕事を発見 ぽいぽいぽん!」
10問でわかるあなたの適性!適職診断
このように、いくつか候補となる学問や仕事が出てきたら、どうしたら学べるのか、どうしたらその仕事に就けるのかさらにWEB検索や本などで調べてみましょう。保護者の方や先生など近くにいる大人の方に聞いてみるのもいいと思います。
さらに、調べてみて、その学問や仕事について体験できる機会があれば、どんどん体験してみましょう!大学や専門学校はオープンキャンパスのイベントを開催していますし、仕事についてもあまり多くはありませんが高校生向けのイベントに参加したり、近くにいる大人でそういったお仕事に就いている方がいればお話を聞いてみたりするのもいいですね。
このとき大切なのが、「自分の反応を見る」ということです。調べたり、体験したりしていると「この学問を調べてもあまり面白くないけど、こっちの学問を調べているときは楽しくてついつい時間を使ってしまう」など反応の違いが出るはずです。
ポジティブな反応をするものは進路の有力候補です。どうすればその道に進めるのかさらに具体的に調べて行動に落としていきましょう!
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- プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)
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U-Discovery代表。国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。
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- http://ayaka-nakamura.com/