category:進路選択親子で読みたい
進学NEWS
2022.02.01
高校生の悩み相談室

将来のことが不安です。女子のキャリアや進路選択について教えてください!

家庭と仕事の両立はできるの? 結婚や出産でキャリアが途切れる? 女性は出世しづらいの? 女性が少ない仕事はやっぱり働くのが大変? ハラスメントが怖い、などなど。
家庭のことや、働き方について多様な選択が可能になってきたとはいえ、将来のキャリアに不安を抱く女子学生も少なくないと思います。

さらに、理系進学を希望したら保護者の方に反対されてしまったなど、女性だからという理由で進路を制限されるという話もあるようです。

今回はそんな女性のキャリアの現状や、女子の進路選択についての考え方についてお伝えしたいと思います。

働く女性たちの現場では

各国における男女格差を測る、世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)が報告している「グローバル・ジェンダー・ギャップ報告書」。直近の2021年版の日本の総合順位は、156カ国中120位という結果になったことが報じられていました。

実際、キャリア相談の中で働く女性たちのお話を伺っていると、出産や育児で仕事をする時間が短くなることが評価に響いてしまう会社がある、産休育休や時短勤務制度があっても肩身の狭い思いをされながら制度を使っている、普段はいい人でも悪気なく差別的な発言をする上司がいるなど、残念ながら働く女性の日常に当たり前のようにジェンダーギャップが転がっているなと感じる場面があります。

ただ、一方で、明るい兆しが見られることも増えてきました。

女性の管理職を増やす会社が増えたり、技術職など今まで女性が少ない職場に女性が増えたり、女性起業家が増えていたりと女性の活躍する場所がさらに広がっていて、その動きに合わせて制度や人々の意識が変わりつつあること。

育休を取る男性がいたり、夫婦間で共働きや家事育児の分担は当たり前という考え方に変わってきていたり、家事育児支援サービスに頼るのが当たり前になってきていたりと、家庭に対する考え方が明らかに変化してきたこと。

技術的には今までも可能だったのになかなか進まなかったリモートワークやフレックスタイム制度(各人の生活スタイルに合わせて働く時間を配分できる制度)がコロナ禍において普及し、本格的に働き方を見直す会社が徐々に増えてきたことで、家庭や育児との両立をしやすくなっていること。

どの動きもここ数年で急激に変化してきていることを現場で実感しています。

活躍している女性たちが意識していること

明るい兆しが見えてきたとはいえ、出産や育児によって、どうしても物理的な負担の影響が出てきてしまう女性のキャリア。
そのような状況のなかでも、自分らしくキャリアを歩まれている方々にお話を伺っていると、共通している点がありました。

それは、「お客さんや一緒に働くメンバーや組織の役に立つこと、スキルを高めることなど目の前の仕事で自分にできることに集中している」ということです。

私がお話を伺った皆さんは女性だからとはじめから出産や育児の準備を色々としていたというよりは、仕事に集中して取り組んでいたら、いつの間にか職場やお客さんから求められる人になっていて、出産や育児を経て「ぜひ戻ってきて欲しい」と言われたり、その人の事例を受けて会社の制度も改定されるケースがあったりと、後から整えていったという流れでした。

見えないところでご家庭内の工夫や努力があってのご活躍だとは思いますが、良い意味で女性だからということを意識しすぎず、自分を高めることや自分がどうしたいかを意識してキャリアを歩んでいらっしゃるのが印象的でした。

まずは女子を一旦置いてみると?

女性のキャリアはまだまだ困難なところがありますが、女性のみならず様々な属性の方にとって働きやすい環境に社会は徐々に変化しつつありますし、少子高齢化のことを考えるとこの動きはますます加速せざるをえないとも考えられます。

また、先ほどまでは結婚、出産、育児をする場合のお話をしましたが、この家庭のイベントも人によって選択が多様になってきていますし、社会情勢によってさらに考え方が変化する可能性もあります。

このように皆さんが働き始めるときの社会の状況や自分がどんな選択をするか読みきれないことを考えると、現時点で女子だからと今後の結婚、出産、育児を考えて安心安全な道を選ぼうとしすぎてしまうのはもったいないなと私は考えています。

もちろん、「結婚、出産、育児が自分にとって、とても重要」という方はそこに向けて準備をしていくことは大切だとは思うのですが、「他に興味があることがある」「まだわからないかな」という方は、女子であることは一旦おいて、「まずは自分がどうしたいかで方向性を決めてその場所で自分を高める。」ということを意識されると良いのではないでしょうか。

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[中村 文香]
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プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)

国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。
高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。

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