category:進路選択親子で読みたい
進学NEWS
2021.11.01
高校生の悩み相談室

親に進路を反対された...どうすればいい?

進路選びは高校生の皆さんにとって大きな選択。できれば保護者の方には応援してもらいたいですよね。

ただ、なかには「自分の希望の進路を親に反対されてしまった...」という方もいらっしゃいます。今回は、進路を保護者の方に反対されてしまった場合の捉え方についてお伝えしたいと思います。

反対の奥にあるもの

まず、一番身近にいる大人で、できれば味方になって欲しい親御さんに自分の希望の進路を反対されるということは、皆さんにとってショックだったり、悲しかったり、怒っていたり、心苦しかったりと、重い気持ちを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。

そんなときは、まず落ち着いて、親御さんの「反対」の奥にあるものに意識を向けることができると、気持ちが和らいでくることが多いです。

ここまで皆さんの成長を見守ってこられた親御さんですから、恐らくその奥では皆さん自身と同じく、皆さんの幸せな未来を願っていらっしゃることと思います。

ただ、時代の変化が激しい昨今、親御さんが学生時代を過ごし、進路を選ばれキャリアを歩んでこられた道のりと、今の皆さんがいる環境とでは状況がかなり違います。
また、家族として生活をしていても、やはりそれぞれ一人の人間でもありますので、性格や価値観など違う部分も多々あることでしょう。

さらに、親御さんとしては、子どもが自立していく姿を見守りたい気持ちがありつつも、我が子が選んだ道で思うようにいかず辛い想いをする姿はなるべく見たくない、自分のアドバイスで避けられるのであれば避けたいと思うものです。

こういった価値観の違いや親御さんの立場から、心の奥底には応援したい気持ちがありつつも、表に出てくる意見は「反対」という形を取られているのではないかと想像できます。

自分の想いと人の期待を一旦、切り分ける

親御さんの気持ちに想いを巡らせたうえで、ここからは、進路選びをはじめとする自分で自分の道を選ぶときに大切にしたいことをお伝えしたいと思います。

それは「自分の想いや意見と人の期待や意見を一旦切り分ける」ということです。

悩んでいるときというのは、自分の想いや意見と、親御さんなどの影響力がある他の人の期待や意見がごちゃ混ぜになっていることが多いです。

そのようなときは、「他の人の期待や意見、制限などがなかったら、自分はどうしたいか?」を一度時間を取って、静かに考えたり感じたりしてみることをおすすめします。

頭の中で考えているだけではグルグルと悩んでしまうので、「これは自分の想いや意見」「これは親の想いや意見」といったように紙に書き出してみることもおすすめです。

一旦、切り分けてみることで、改めて今の自分がどうしたいかを確認したり、その道に進んだ先で待っている良さそうなこと、大変そうなことなど、落ち着いて考えることができるようになってきます。

どちらを選んでも自分の「やりたいこと」

こうして、自分の想いや意見、親御さんの想いや意見を改めて眺めてみると、何か感じられることはあるでしょうか。

ここで重要なことは、どちらを選ぶにしても、「自分で選んだんだ」という納得感だと私は思います。

この納得感があまりないまま、仮に誰かの意見で選んだ道で何かがあると、その人のせいにしてしまって自分で何とかしようとする気が起きないこともあるでしょう。

そのまま「自分の希望する道を貫きたい!」でもいいですし、「色々考えたけれど今は親の意見を尊重したい」という選択もありです。

どちらを選んだにしても、広い意味では皆さんの今のやりたいこと、今の納得できる選択肢なのだと思います。

もしかしたら、こうして皆さんの決めた選択が、親御さんに理解してもらえないことがあるかもしれません。ただ、選んだ道でがんばっていたらいつか分かり合えるときがくるかもしれませんし、自分で決定することは幸福感や成長につながっていくことを様々な方のキャリアを見ていて実感しています。

今はどう進むべきか迷い、辛いかもしれません。しかし、意見が違う人の中で、自分で決断をするというこの経験は、きっと皆さんを強くしてくれます。皆さんがこの道のりの中で納得できる道を選ぶことができるよう、応援しています。

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[中村 文香]
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プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)

U-Discovery代表。国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。

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