category:進路選択親子で読みたい
進学NEWS
2021.04.20
高校生の悩み相談室

変化の激しい今の時代、進路選択どうすればいいですか?

日々進化する医療やITなどの技術、次々に登場するSNSなどの新しいサービス、台風や地震、昨年から続く新型コロナウイルスなどの天災、ジェンダーや生き方、働き方への考え方の多様化など、さまざまなことが目まぐるしいスピードで変化していくこの時代。

状況が今後どのように変わっていくのか分からないなかで、多くの高校生の皆さんにとっては人生の大きな決断である進路選択をしなくてはいけない。
「一体、どうすればいいのだろう...」と不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、今の時代の進路選択をどうやって捉えていけばいいのか、考え方をお伝えしていきたいと思います。

変化の激しい時代。失敗したくないけれど...

進路選択のご相談の際に、よく高校生の方が口にするのが「失敗をしたくない」という言葉。確かに、できれば今後に大きな影響がある進路選択を間違えたくはないですよね。

しかし、先ほど挙げたような変化だらけのこの時代、どんなに学識がある方でも、キャリア相談を仕事にしているキャリアコンサルタントの私でも"正解"は分かりません。

というよりも、正解はないと言えるでしょうか。
(正解のようなものがあった方が楽だなと思うこともありますが...)
自分が何を幸せに感じるか、何が大切なのか、という価値観は人それぞれですし、そもそもやってみなければ、好きか嫌いかも分かりません。

そういった意味で、どこかテストの答えのように正解を求めるような考え方をしていると苦しくなってしまうかもしれません。
失敗しない進路選択をしようというよりは、先が見えないなかであっても、今の自分が納得できる選択をするという感覚でいた方が進路は考えやすいと思います。

今の時代の安定って?

「安定する方を選びたい」こちらも進路選択の際によく耳にする言葉です。
これまで言われてきたように、有名な大学に入って、大企業に就職したり、公務員になったりするような道を選んだら安定すると言えるのでしょうか。

確かに、まだそういった傾向が残っているところもありますが、徐々にそうとは言い切れない、変化の波が押し寄せているのを社会人の方のキャリア相談のなかで日々実感しています。

「今の時代の安定は、安定と言われているところに所属することではなくて、変化に合わせて変わっていけることなんだと思いました」と、転職を決意されたある相談者がおっしゃっていましたが、まさにそういう時代になってきています。

そして、変化に合わせて変わっていくためには、自分で調べたり、体験したり、人に聞いたりして情報を集めて、さまざまな選択肢の中から「自分で考えて決める」力が大事です。

進路選択は、これからみなさんの前に幾度となく訪れる人生の選択を「自分で考えて決める」力を養うための最初の一歩とも言えるのです。

自分の道を自分でつくりやすい時代

ここまでの話を聞いて、「これからの時代、働くってなんだか大変そうだな...」と少し圧倒されてしまった方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし、技術が進歩して、選択肢が多様になったということは、自分で考えて、決めて、進んでいくことができれば、既存の道に無理に自分を当てはめることなく、自分で自分の道をつくっていける時代になったとも言えます。

始めのうちはやり方が分からず、「自分で考えて決める」ことを怖く感じることもあるでしょう。ですが、やってみると慣れてくるものです。

また、「自分で考えて決める」ことは人を成長させ、楽しさを感じさせてくれることを私は多くの方のキャリア支援のなかで感じています。

まずは、今回の進路選択で「自分で考えて決める」ことを実践してみましょう!

[中村 文香]
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プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)

U-Discovery代表。国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。

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